e-経営コンサルタント通信ではリストラ・資金繰り・経費削減などの問題を経営者の視点で吉岡憲章が経営コンサルティングいたします。

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『『『『   一年で儲かる会社にしようじゃないか  』』』

“やろうぜ再建!! 破産・夜逃げにならぬ為に…” 

          経営プロデューサーレポート VOL 170

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<改革編>
***事前経営に徹する***

◆月末や期末を迎えて“今月もダメだった”、“今期も黒字にならなかった”などとた
め息をつく。“どうしてなんだろう”、“うまく行かない”と嘆く。こんなことが経営
の現場で繰り返される。

◆ところで、“今月はこうする。だから今月は、3ヵ月後はこうなる”という自問自答
はしているだろうか?

◆経営が厳しくなってくるとどうしても日々のことに追われてしまう。資金繰りのた
め銀行への借金のお願い、受注獲得のための得意先の巡回、品質クレームの処理など
など・・・。もちろんどれをとっても自社の現状としては欠かすことができない。

◆でも、ここで思い切って歯車をもう一歩先に回してみよう。今月は受注増加のため
にA社とB社にこのような拡販策を実行して5百万円積みあげをする。このモデルの
採算をよくするために3百万円のコストダウンをする。4ヶ月先の資金繰りをクリア
ーするために今月の発注は1千万円で抑える、今期黒字決算のために、人件費は1
0%削減する・・・というように。

◆これらは全て“このような経営目標を達成するためにこんな手を打つ”という表現
になっている。この考え方を“事前経営”と私は呼ぶ。“今月、今期悪かったのはな
ぜか?”と考えるより、“こんな手を打ったから今月、今期はこうなる”と思えば苦
しみも楽しみになる。夢も出てくるではないか。

 過去を思い悩むより、未来を見据えた経営をしようではないか。

◆本年最後のメルマガ号となりました。この一年間のご愛読を心から感謝申し上げま
す。希望に満ちた新年を迎えられますことを祈念いたします。

                    経営プロデューサー  吉岡 憲章
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〜〜〜〜〜★☆★☆「未来経営研究会」発足のご案内★☆★☆〜〜〜〜〜

これまで未来経営懇話会を通じて経営者各位と経営のあり方などについての勉強会
を進めてまいりましたが、さらにこの主旨を発展させるために来年平成16年2月か
ら「未来経営研究会」を発足させます。詳細につきましては別途当メルマガやHP、
著書、講演等を通じてご案内をいたします。
ぜひ多くの皆様のご参加をお願いいたします。
なお、これに伴いましてこれまでの経営懇話会は発展的に
解消をいたしますのでご了解ください。

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<金融編>
***銀行に貸す気にさせるテクニック***

銀行から貸出金利を上げると言ってきたけどどうしたら良いだろうか、という相談が
最近よくある。銀行から「格付けを見直したら、今の金利では支援できないので金利
を上げてください」と言ってくるケースである。

これは銀行が貸し剥がしをするときの常套処断の一つであり、スタートだ。銀行は当
然のように、貸し剥がしをすることをちらつかせながら金利を上げていく。さも当然
のように金利の引き上げのことを言ってくるので、呑まなければいけないと勘違いし
て、ごまかされてしまう。

こういうときには「実行金利」のことを持ち出すと非常に効果が出るのではないだろ
うか。実行金利とは、会社が銀行に実際に支払っている金利のことを言う。会社は銀
行に流動性預金や定期預金などの固定性預金を拘束預金として積んでいる。

実行金利を算出するには、支払利息の合計から受取利息を引き借入金の残高から預金
残高の合計を引いたもので割り、100を掛ければ算出できる。

大企業の場合は資金管理がきちんとしており、実行金利をはじき出し銀行と対等に取
引ができている。実行金利と貸出金利との兼ね合いで、預金を銀行において置くので
ある。銀行にとっては、全く面白みのない取引となってしまう。それに反して中小企
業の場合は、銀行の思い通りの取引をすることができ、銀行にとっては儲かるお得意
様なのだ。

金利引き上げを銀行がしつこく言ってきた時には「うちは高い金利を払い銀行を相当
儲けさせているはずですが」この一言に加え、実行金利のことを言えば銀行は金利の
引き上げのことは、なかなか言いづらくなる。もしそれでも、銀行が金利引き上げを
迫って来るならば「実行金利を引き下げるために、預金を下ろさせて頂きたいのです
が」これだけで効果抜群である。

但し別の意味で注意しなければいけないのは、金利引き上げの話が出たときには貸し
剥がしが始まっているとの認識を持たなければいけない、と言うことである。このこ
との方が重要である。

未来事業マネジメントコンサルタント 奥山 孝司
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公認会計士による経営者のための実践的・会計講座(第1回)
  
直接原価計算的思考とは ― 「コスト構造」の把握

「あなたの会社の損益分岐点は(言換えれば、損益=0となる売上高は)?」と聞か
れて貴方は答えられますか。答えられないとするならば、それは自分の会社の「コス
ト構造」が把握できていないからなのです。

では、「コスト構造」とはどのようなことなのでしょうか。
損益計算書をみると、売上原価から始まり給料・広告宣伝費・交際費・減価償却費・
支払利息など種々の原価、経費が並んでいます。
これらの原価等が「売上高の増減に対してどのような性質を有しているか」が「コス
ト構造」を理解するために必要なことなのです。

原価等は大別すると「変動費」と「固定費」に分類されます。(詳しくは、タクシ−
のメ−タ−料金のようにある段階までは一定額でまるで階段のように増加する「準・
固定費」など折衷的な性格を有するものなどがあります)

まず「固定費」から説明しましょう。
売上が増減したからといってあなたの会社が入居しているビルの家賃が変わります
か。
購入した機械の減価償却費が変わりますか。
このように、その費目の属性からして売上高の増減に反応しない原価等を「固定費」
と分類するのです。
「売上が大幅に増加して利益が上がったので家賃の高い新築のビルに引っ越したが、
そうすると売上の増加に伴い地代家賃が増加したので“固定費”ではないのではない
ですか?」などと聞かないで下さい。それは結果として増加した(させた)のであっ
て、属性からして当然に増加したものではありません。

次に「変動費」を説明しましょう。
「固定費」の説明でお分かりでしょうが、「変動費」はその費目の属性からして売上
高にほぼ比例しての増減する原価等をいいます。例えば、売上原価、運送費などです。

以上の知識を基にして、簡単な例で「損益分岐点」を計算してみましょう。

(例) 商品売上単価: 100   商品仕入単価: 65
    運送費:商品1単位当り 5   人件費:380(固定給) 家賃:160
     
(計算過程)1 固定費の集計     : 380 + 160 = 540
2 単位当り変動費の集計 : 65 + 5 = 70
3 単位当り利益の算定  : 100 − 70 = 30
*「単位当り」とは、商品の取引単位のことを指し、例えば個、kg、
リットル、?など。
*上記の「単位当り利益」を専門的には「限界利益」という。
4 損益分岐点売上高の算定 
   540 ÷ 30 = 18(単位)  ・・・損益分岐の売上数量
   18 × 100(売上単価) =1800  ・・・損益分岐の売上高
       損益計算書
売上高        1800
売上原価       1170
(売上総利益)    630
運送費   90
人件費   380
家賃    160    630
   (営業利益)      0

「固定費総額を単位当り利益(限界利益)で回収する」として計算しているのです。

実際の企業活動は上記の例のように簡略ではありませんが、経営者としては枝葉末節
の事項に目を奪われることなく大きな視点から自分の会社を捉え、その「コスト構造」
を把握しておくことは絶対に必要なことなのです。自分の会社の「コスト構造」を実
際に算定してみてください。

次回は、今回の知識を活かした経営計画の作成などに触れていきたいと考えてます。

未来事業・コンサルタント  公認会計士  西山太郎
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<発行者>未来事業株式会社 経営プロデュースオフィス 代表 吉岡 憲章
<本社>  東京都新宿区西新宿7−8−2 福八ビル6F
<事業内容>経営プロデュース 経営改革・経営発展 指導支援
      経営経済関係の講演、著作
<FAX>  03-3367-8731 <MAIL>  keiei@mirai-j.co.jp
<URL>  http://www.mirai-j.co.jp ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

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