e-経営コンサルタント通信ではリストラ・資金繰り・経費削減などの問題を経営者の視点で吉岡憲章が経営コンサルティングいたします。

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経営再建プロデューサーリポート

“やろうぜ再建!!” 破産・夜逃げにならぬために…

VOL 04

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    ***大ヒット映画“タイタニック”を見ましたか?***

 今となっては、少し古くなりましたが、この“タイタニック”という
映画を多くの方がご覧になったと思います。
私も何度か繰り返して見ました。
あの素敵なサウンドミュージックや船首での若いカップルの翼を広げた
鳥のシーン、そして大事故… と数々の場面が頭に浮かびます。

 しかし、私にとってこのタイタニックの悲劇は、まさに企業の倒産と
ストーリーも現象もピタリと一致する事が、深く印象づけられ、何度も
見ずにはいられなかったのです。

 私が体験した倒産の実態をこの映画に置き換えて説明しましょう。
★タイタニックが南岬に近づく前に「あの付近には、氷山が漂っていて
危険であり注意を要する」旨の情報が船長に報告されていました。
船長はその情報を軽く受け流し、「目的地に遅れぬ様全速力で航海せ
よ」との指示を出しました。

 私の体験した倒産劇では、手形事故の役10ヶ月前に既に「銀行のビ
ッグバンが始まる。経営体質を改善させるために、徹底合理化をする
必要あり」との提言を強くしました。
しかし、逆に「経営合理化では力が落ちる。売上増加だけを目標に積
極経営をする」と言うのがトップの方針となりました。

★タイタニックが氷山にぶつかる迄の間、船上では乗客は当然ですが、
乗組員迄もこの船は絶対に沈まないと信じ、呑気に構えていました。

 我が倒産劇でも、やはり経営合理化はされずに、むしろしようとする
と、消極的姿勢としてトップから叱られ、一方売上増加に対しては、
掛け声ばかりで具体的な拡販計画もなく、夢のような“お話”に終始
していました。
会社の危機を認識している何人かだけが、トップから嫌みを言われな
がら、資金繰りに駆け回っていました。

★やがてタイタニックは氷山にぶつかり、船体が二つに折れ沈み始めま
す。
その中で先ず、上級航海士がファーストクラスの乗客を乗せて、ボー
トで脱出し、遮る者がいるとピストルで脅します。

 実倒産劇でも、始めに逃げたのは営業担当の役員で、事故後たった5
日目に「辞めます」とのメモを自分の机の上に置いて姿を消しました。
その時は社員はただ一人も辞めていませんでした。
次に技術担当の役員が「自分は再建には役に立たないから」と辞めま
した。

 日本的風習として、「責任をとって辞める」と言うと何か美談のように
思われますが、残された側から見れば、「責任から逃げる」としか見え
ません。どんな理由があろうと、経営幹部としては“敵前逃亡”であ
りいまだに彼らは「逃亡役員」と呼ばれ顔を出すことも出来ません。

★タイタニックでは、二つに折れた船上で目を覆う大惨劇が繰り広げ
られます。
死ぬと分かっていても冷たい海に飛び込んでいく大勢の人達。
少しでも生き延びようと他人を蹴落としても、上にうえに昇って行く
人。
神に祈るしかない人。…

 倒産劇でも「もう駄目だ、辞めよう」とまるで流行の乗り遅れまいと
いうかの如く、退職願いが山積みにされます。
即ち船から飛び降りるのです。
それまでは、社長に言われたことは、ハイハイと聞いていた社員が突
然「社長!あんたの責任だ」とか言って椅子を蹴飛ばして出て行きま
す。
そして、何もせずに外で焚き火をかこんでタバコを吸いながら会社を
批判している連中もいます。

★タイタニックでは、大混乱の中でも、音楽隊が少しでも皆を落ち着か
せようと、船が傾いて立っていれなくなる迄、演奏を続けていました。

 この倒産劇でも、周囲が大混乱の中、懸命に自分の任務を進める社員
がいます。普通では考えられない位のプレッシャーの中で、夜中まで
何日も何日もあてのない再建に向かって取り組んでいました。
彼らの為にも再建をしなければ、と決心をしました。

★そしてタイタニックの終局では、船長が何もせず、呆然と「もうどう
しようも無い」と呟いて、船長室に入り船と運命を共にしました。

 そしてこの倒産劇でも、社長は手形事故以来再建のためには、殆ど何
もせず、社長室にこもりっきりでグチと弁解の繰り返しでした。
最後の債権者会議でのお詫び表明をし、誰にも見送られずに、自分が
創業した会社を去って行きました。


 倒産劇とは、多かれ少なかれこの様なものでしょう。
破産の場合は、会社が一瞬のうちにストップするのですから、この様な
シーンは、船外で行われます。

 経営者、経営幹部の方は、これらの事を頭に置いて、ビデオでも借りて
もう一度、この“タイタニック”をご覧になったら如何でしょうか。
会社は倒産してしまってからでは、遅いのです。
いますぐに、経営改革を始めなければ、この船長の様に、取り返しのつ
かない事になりかねません。

               経営再建プロデューサー  吉岡憲章


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