e-経営コンサルタント通信ではリストラ・資金繰り・経費削減などの問題を経営者の視点で吉岡憲章が経営コンサルティングいたします。

<> 62<>2003/03/26(Wed) 12:55<>本当の味方は誰か<>***本当の味方は誰か***

大変に人脈の広い経営者がいる。
名刺箱をみせて、“ほら こんなに一杯有るよ”と自慢気に見せてくれる社長も
いる。
〇〇クラブとか、△△研究会…入って、親睦や見識を広め役員になったりして
人脈を広く持ち、時には紹介までしてくれる。

私自身も1万枚以上の名刺を持ち、いわゆる地元の経営研究会の会長をしてい
た事がある。
仕事を進めていく上で、この人脈は大変な財産になったし、励みにもなる事も
良く分る。

さて、その先に更に大事なことは、その人脈や友人との付き合いの密度と質の
深さである。
“そりゃ まかしとけ、俺にはいざとなったら、命をかけてくれる仲間はゴマ
ンといるから”とか“自分を裏切るやつは、いま付き合っている仲間にはいな
いよ”と大体の経営者は自信を持っている。

じゃあ、いざ“いざとなったら”どうだろうか。
私自身も体験しているし、私の知っている“いざとなった”経営者は、ほぼす
べて、“人の世のはかなさ、つれなさ”を身にしみるのである。

会社の景気が良い時には、沢山の親友ができる。
相手も“自分の無二の親友”です、なんて第3者に紹介をする。
“その よいしょ”も心地よく聞こえてくる。

ひとたび、会社が破綻すると、これが全く逆になるのである。
まず、今まで最も親しかった、と思っていた人たちが、“あいつは、とんでもな
いヤツだ”、とか“オレがあれだけ協力してやったのに”と情報最前線の役を担
うようになる。

私の、親しい社長が今、まさにその思いの真っ只中にいる。
先月、残念ながら“銀行の手のひら”の上であえなく討ち死にをして、現在民
事再生法で再建中である。
彼は、亡き親友の息子で、いままで自分の子供の様に可愛がってきた若い経営
者から、“この地域から出て行け”と言われ、受注の殆どの面倒をみてやった仲
間の社長からも“預けた金型を返せ”と迫られている。
地元の〇〇クラブからのメンバーもあれほど親しかったのに、電話にも出てく
れなくなった。

最悪の状態になったとき、今までの人脈と思い、信じていた人たちは、まるで
潮が引くように去っていくのである。
去っていくだけなら、わが身の不徳と諦めもつくが、時には様々な形で、先頭
にたって、後に回って責めてくるのである。
時にはストーカーまがいの事までしてくる事を、知っておいてほしい。

ぜひ、人脈などははかないもの、という認識を持って欲しい。
量も大事だが、本当に大切なのは“質”である。
この質の深い仲間(同志と言えよう)が、いざとなったときに支えてくれるの
である。
私も、家族とこの同志がいたから、立ち直れたのである。
周りを見直してみたらいかがかと思う。
        
                   経営プロデューサー  吉岡 憲章

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