e-経営コンサルタント通信ではリストラ・資金繰り・経費削減などの問題を経営者の視点で吉岡憲章が経営コンサルティングいたします。

<> 73<>2003/03/26(Wed) 14:26<>淀君がシャシャリ出ていませんか<>      *** 淀君がシャシャリ出ていませんか ***

会社というものは最初のうち創業者が夫婦で力を合わせて頑張り大きくしていくこ
とが多い。起業というようなそれこそ人生を大きく左右するようなことは、いかに亭
主関白であっても奥さんの充分な理解に加えて、一緒に仕事に取り組んでもらうくら
いのことをしないと成功は難しい。

私も会社を創業してからほぼ軌道に乗るまでの暫くの間は女房と二人三脚であった。
夜遅くまで一緒に頑張ってくれた。しかし会社もやがて100人を越すころになると
社員達も“我が社は社長のものか、皆のものか”というようなことを考え出す。その
時点から女房は一歩引いて陰から私を支えてくれることに徹するようになった。

私の場合は製造販売業だったからこのくらいの規模が家業と企業の境目と感じてい
る。これがソフト業や商店などだったらその人数はまた違うだろう。もしかしてそれ
は5人かもしれないし、10名かも知れない。

しかし世の会社の中には、規模が相当大きくなっても、株式が公開されるようになっ
てもまだ社長の奥さんが良く言えば“第一線で頑張っている”、普通に言えば“ワガ
モノ顔にふるまっている”例を多くみる。

私の知っている会社でも、会社は株式上場し社員の数も数百名を超しているのに社長
の奥方が“第一線”で大きな発言力を持ち社員達をアゴで使っている会社がある。

社員達は誰を見ながら仕事をしているか。もちろんお客様ではない。この社長の奥方
をいつも見ており、陰では“淀君”とか“会長”と呼んで彼女の感情の趣くままの行
動に怯える毎日であった。

取引銀行の支店長がそのことを社長に注意したところその支店長は会社に出入り禁
止となった。私もあまりのことに社長に同様の諫言をしたが“自分の大事な情報源”
といってはばからなかった。つまり社員の行動を監視する役目ということである。

そのうちに社員達は誰の言うことを聞けば良いのか分からなくなってきた。社長の言
うことを聞くのか、直接の上司の指示を聞くのか、それとも淀君の筋の通らぬ“指示
なのかグチなのか分からぬ”ことを聞くべきか・・・。

やがてその会社は当然のことながら倒産をした。この話を読んで多くの皆さんは“ま
さか”と思うことだろう。しかし社長の奥さんが“家業ではなく企業”で頑張ってい
る会社では多かれ少なかれこれに近い現象が起きているはずである。
心当たりのある経営者はもう一度冷静に“ウチの淀君はどうか”ということを見つめ
なおしてみたら如何だろうか。

                    経営プロデューサー 吉岡 憲章

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