e-経営コンサルタント通信ではリストラ・資金繰り・経費削減などの問題を経営者の視点で吉岡憲章が経営コンサルティングいたします。

<> 76<>2003/03/26(Wed) 14:29<>少しくらい売上が落ちてもビクビクしない<>***少しくらい売上が落ちてもビクビクしない***

 大変な不況が続いている。まさに大不況・大倒産・大混迷の時代に入ったのであ
る。
さらに、国税庁が発表した昨年度の中小企業の決算は70%が赤字決算であったと
いう。この数字によると、決算上は30%は黒字ということになるが実態はとんで
もない。金融対策、顧客対策のためにかなりの苦労をして黒字に見せかけているの
である。

 したがって、本当に黒字の中小企業はほんの10%程度と言えよう。すなわち中
小企業のほとんどは赤字なのである。今の時代“赤字を恐れることはない”という
ことだ。

 と言っても赤字ということは言い換えれば資金繰りは火の車ということである。
まして、銀行から借り入れでもあれば、明日の支払いも四苦八苦の状態であろう。
だから、社長は売上を上げるどころではない。資金繰りで頭は一杯であろう。

 大不況に加えて、営業活動どころでないのだから売上は上がるどころか、果てし
なく下降曲線をたどりだしている。そうすると経営者としては落ち着いた気持ちで
いられなくなるのだ。これ以上売上が下がっては経営が成り立たなくなる。最悪の
場合も考えねば・・・。

 しかし、売上が落ちたってビクビクすることはまったくない。じゃあ、どうする
か。

 回答は、今すぐに会社の経費を10%削減することである。こうすれば今まで利
益を10%出している会社なら売上が60%まで落ちてもまだ赤字にならない。
利益率がゼロの会社でも売上が75%まで落ちても大丈夫である。

 採算分岐点の出し方は次の式による。
採算分岐点=固定費/(1−変動費/売上)  である
ぜひ、自分の会社の数字を当てはめ、経費を1割削減したら採算分岐点がどのくら
い改善されるか、実際に計算してみてほしい。

 このように考えてみると、少しぐらい売上が減ってもガタガタすることはないと
いうことを分かってもらえるだろう。
まず経費を10%でも15%でも削減する計画を立て、次にじっくりと“売上を上
げていく仕組み”を考えることである。これが本当の経営改革である。

             経営プロデューサー   吉岡 憲章

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