e-経営コンサルタント通信ではリストラ・資金繰り・経費削減などの問題を経営者の視点で吉岡憲章が経営コンサルティングいたします。

<> 77<>2003/03/26(Wed) 14:30<>売上げの6%以上の金融支出は破綻を生む<>  *** 売上げの6%以上の金融支出は破綻を生む ***

 “運転資金が厳しくなってきた、どうしようか”と毎日ねじり鉢巻で四苦八苦して
いる経営者がほとんど、という世の中になってきた。

 銀行に行って融資を頼もうかな、いやもうこれ以上貸してくれないかな・・・。
それにしても、ウチは少し借りすぎじゃないかな。どうやって返していこうかな、な
どなど、答えがなかなか出ず悶々としているであろう。

 そういう時には、私が唱えている“金融支出6%限界論”をぜひ参考にしてほしい。
これは売上げに対して支払利息と返済を加えた金融支出が6%を超えると、いつまで
たっても借金経営から抜けられずに、やがて破綻を招く借入れの限界線についての目
安の数字である。

 例えば、売上げ 1,000百万円  営業利益 100百万円  
借入れ 300百万円   
の会社をモデルに取り上げて、この6%限界論を説明したい。

 この会社の大まかな損益計算書は下記のようになる。
・売上げ    1,000 百万円
・営業利益     100
・支払利息       6   (年利2%とする)
・経常利益      94
・税金        44   (実効税率47%)
・税引き利益     50
・返済        60(5年返済)   43(7年返済)
・内部留保     ▲10          7
・金融支出      6.6%       4.9%

 この表が示すように、7年間で借入れの返済をする場合は内部留保が7百万ありこ
のときの金融支出は4.9%である。
 これが5年間で返済しようとすると、逆に百万円の資金不足になるのである。この
時の金融支出は6.6%となる。このモデルの場合6年返済(年50百万円)だと資
金的にはチャラになり、この時の金融支出は5.6%である。
 
 返済をすると、銀行借入れの枠がその金額だけ空いて、再度借入れをすることを
銀行からさりげなく進められる。(担保割れをしている場合は担保バランスがとれる
までは回収一方だが)こうなれば借りない手はないとばかりに再借入れする。したが
って返済をし続けても借金はいつまでたっても減らないことになる。
そしてやがて会社は破綻を迎えることになる。

 少なくとも、再借入れを前提としたような経営は、蟻地獄にはまってしまうような
ものである。借金経営から少しでも早く脱出をしようではないか。
 
                 経営プロデューサー   吉岡 憲章

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