e-経営コンサルタント通信ではリストラ・資金繰り・経費削減などの問題を経営者の視点で吉岡憲章が経営コンサルティングいたします。

<> 79<>2003/03/26(Wed) 14:31<>修正貸借対照表を作りましょう<>*** 修正貸借対照表を作りましょう ***

 国税庁の発表によると、中小企業の70%は赤字決算とのことである。すると残り
の30%は黒字ということになる。しかし、以前にも述べたように中小企業の2/3
以上は決算を調整しているのが実態である。したがって90%以上の中小企業は赤字
ということになる。

 決算が赤字になるとまず銀行が融資をしなくなる。さらにお得意先が発注を控える
ことになる。特に官公庁向けの事業では赤字決算は禁物に近い.こうなった時、経営
者は何としてでも会社を生き延ばしたい本能が働き、決算を調整することになる。調
整というと聞こえが良いが、言い換えれば“綺麗にお化粧をする”ということである。

 お化粧の是非については、“経営者のこころ”を知っている私としては議論をする
つもりはない。しかし“経営改革”を断行するためにはこの“お化粧”を徹底的に剥
いでみる必要がある。もちろん経営の素顔を公表することではなく社長と幹部が真実
を知ればよいのである。

 経営状態をみるためには、貸借対照表、損益計算書そしてキャッシュフローが基本
となる。その中にお化粧された数字が入っていたら会社が健康なのか、病気なのかす
ら分からなくなってしまう。

 私が経営の指導・支援をする時には、まず始めにこのお化粧の部分を全部剥いで素
顔にしてから、経営改革のための方向や方法を決めるのである。こうすると殆どの会
社が一気に赤字になり場合によっては債務超過になってしまう。しかしこれが真実で
ある。

 こうなれば、経営者ならば心底から経営改革をしなければならぬことが実感できる
はずである。今の時代、赤字だってお化粧だって決して恥ずかしくはない。恥ずかし
いことは、会社の実態を認識せず、見栄やしがらみによっていつまでも経営改革を断
行しないことである。

 まず、貸借対照表の各科目にお化粧がないかを確認してほしい。中小企業の経営者
ならば胸に手を当てれば心当たりがいくつも出てくるであろう。

在庫に不良・不要な形ばかりの物がないか。売掛金の中に長期未回収の債権がないか。
長期貸付金の中に社長自身への貸付がないか。受取手形の中に不渡手形がないか。
未払い金や買掛金を故意に計上していないか。さらにPLでは売上げ計上の基準がお
かしくないか・・・・・・。
 ぜひとも、会社の経営のための諸表をこのような観点で見直し、修正してほしい。
こうやって見直したものを“修正貸借対照表”と言い、経営改革を断行するためには
絶対に必要な条件となる。本当の経営実態が分かるのである。

               経営プロデューサー  吉岡 憲章

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