e-経営コンサルタント通信ではリストラ・資金繰り・経費削減などの問題を経営者の視点で吉岡憲章が経営コンサルティングいたします。

<> 84<>2003/03/26(Wed) 14:35<>経営の原点は経営理念<> ***経営の原点は経営理念***

 訪問先の会議室や応接室に通されると、“経営理念”と書いてある紙が貼ってあり、
私は興味深く拝読をする。

“経営理念  株式会社 〇△□”とあり内容的には“お客様第一の・・・”とか
“技術を研鑚し・・・”というような内容であることが多い。そこで私はつくづく
考え込んでしまうのである。

 なぜなら、株式会社 〇△□を株式会社 ×▲〇と変えれば何処でも通じるよう
な内容なのである。すなわち、経営セミナーに行ったり、経営書で勉強した“経営
理念”とやらを、そのままマニュアルに沿って少し変えてみたりして書いただけの
ことである。

 私はこのような程度のものはとても“経営理念”ではなく“経営標語”どまりな
んだろうな、と思う。
 私の言う“経営理念”はその会社が“依って立ちたるおおもと”であると思う。
決して文章の良し悪し、上手い下手ではない。経営者が自分の会社を経営するに当
たっての基本的な考え方である。従って“わが社の独自のもの”でなければならな
い。
 人間の顔や心が一人一人違うように会社も全て違うのである。それは経営理念(経
営者の思い)が会社ごとに違うからである。従って、この“経営の思い”について、
社長は30分でも1時間でも熱く語れるくらいでなければ経営理念とは言えない。
言葉は例え同じ物を使っていても、“この意味するところはこうなんだ”というよう
な叫びが聞こえてくるようでありたい。

会社の方針にしろ、重要施策にせよそれが“良いか悪いのか”は、この“経営理
念”に照らし合わせて判断するのである。“一般常識”で判断するのではない、とい
うことを知ってほしい。これがプロの経営者かどうかの先ず第一歩の分かれ道であ
る。

厳しい経営にある会社はこの“経営理念”が無いか、盗作である。または社長に
説明してもその真に意味するところの説明すらできないことが多い。“経営の原点に
戻れ”ということをよく耳にするが、この“経営の原点”とは“経営理念”のこと
なのである。
これが、はっきりしていない会社は、原点にさえ戻ることすらできないのである。
そのような会社は再度起業をしなおして、まず経営理念からしっかりと決めるこ
とである。
             経営プロデューサー  吉岡 憲章

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