e-経営コンサルタント通信ではリストラ・資金繰り・経費削減などの問題を経営者の視点で吉岡憲章が経営コンサルティングいたします。

<> 89<>2003/03/26(Wed) 14:41<>リストラは人員合理化だけではない<> ***リストラは人員合理化だけではない***


政府は5月の月例経済報告で“依然厳しい状況にあるが、底入れしている”
との判断を示した。すなわち、景気底入れ宣言を出したということになる。
しかし、一方で内閣府は“直ちに回復に向かうという意味ではない”との念押
しをしているのである。

 したがって、やがては大企業から順次景気の回復基調に入っていくのだろう
が、中小企業に恩恵がくるのは気が遠くなるほど先のことになるだろう。まず
間違いのないことには“その時期は決して今年中ではない”ということである。

 “景気の良いことは他人事”と思って、経営改革の手を決して緩めてはなら
ない。今以上に手綱を引き締めてほしいものである。

 経営改革を進めるにあたって、その中心となるのは“リストラ”であること
は言うまでもない。ただしリストラといってもそれは人員削減に直結するだけ
のものではない。
 
 リストラには次の3つのポイントがある。
1)業務リストラ…固定費の削減や原価の低減対策などが主体であり、ここに
人件費の合理化などが入る。
2)財務リストラ…不要資産や非稼動資産の売却や社宅や福利厚生施設の廃止
などがあげられる。
3)事業リストラ…不採算事業や低利ビジネスから得意な高付加価値事業への
転換や集中化である。

 このような観点を参考にして、ぜひ自社の経営改革の“リストラ”をどうす
るかを考えていただきたい。

 特に3)事業リストラについては、事業ごとの原価管理や得意先別粗利を出
して見ると“儲けのないものが何と多いことか”とびっくりするだろう。
今やっている仕事の30%くらいは儲かっていないどころか、利益の足を引っ
張っているといっても過言ではない。

 販管比率より少ない粗利しか取れない受注は、今後どうするかひと工夫も、
ふた工夫もしてみる必要があるだろう。
ここで薄利なレベルでは会社は儲かるわけはないからである。

           経営プロデューサー  吉岡 憲章

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