e-経営コンサルタント通信ではリストラ・資金繰り・経費削減などの問題を経営者の視点で吉岡憲章が経営コンサルティングいたします。

<> 92<>2003/03/26(Wed) 14:43<>仕事単位に“儲け”が分かりますか<> *** 仕事単位に“儲け”が分かりますか ***


 “こんなに頑張っているのにちっとも儲からない”どうしてだろうか?と頭
をひねるような思いが誰にもあるだろう。

 こんなときは、先ずはともあれ仕事ごとにどれだけの粗利が出ているのかを
確認することである。仕事ごととは機種別、商品別、現場別、物件別、顧客別
…様々の分け方があると思うが、会社の業務内容によって最適の分類を選べば
よい。

 こうやって仕事ごとに分類してみると、おおよそではあるが、儲かっている
グループが1/3、トントンのグループが1/3、そして残りの1/3が損を
しているグループがあることが分かると思う。

 何に対して儲かっているかだが、それは粗利が出ているかどうかとの意味で
は決してない。
粗利が販管費より大きいかどうかということである。

従って
・儲けがある      粗利率>販管費率
・トントンである    粗利率=販管費率
・損している      粗利率<販管費率     である。
決して 粗利率>0 が儲かっているのではない。仕事ごとの粗利率が販管費
率より大きくない場合は、完全に損をしているということになる。

 経営者の中には稼働率をあげるために、販管費より粗利率が低くてもやむを
得ないと思って受注をする場合がある。しかしほんのたまになら目を瞑ること
もできるが、一度目を瞑るとその後も何度も瞑るようになってしまう。そして
ついには前記のように1/3は“損するグループ”になるのである。

 “損グループ”が“儲けグループ”の利益分を喰ってしまい、結局全社的に
は“とんとん”になり、“いくら頑張ってもちっとも儲からない”会社になるわ
けである。

 もう一度、仕事別に原価を見直し、所定(販管比率以上)の粗利が取れてな
い受注については、外注工賃や仕入れのコストダウン、社内能率のアップ、VA
設計等をすぐに実行し原価低減を実現させることである。場合によっては、発
注元と価格交渉することも生じてくる。

 これを放置するということは、出血をそのままにしておくのと同じで、会社
は間もなく貧血状態となり危機を招くことになるのである。
仕事別の利益を甘く見ると命取りになることを認識してほしい。

               経営プロデューサー  吉岡 憲章

Copyright (c) 2003-2004  未来事業株式会社 All rights reserved.   Produced by i-pocket