e-経営コンサルタント通信ではリストラ・資金繰り・経費削減などの問題を経営者の視点で吉岡憲章が経営コンサルティングいたします。

<> 93<>2003/03/26(Wed) 14:44<>経営の原点 品質<> ***経営の原点 品質***


 乳製品の不良品混入から始まり、食肉加工、香料の無許可添加物使用・・・
このところ企業のモラルが問われるニュースが毎日のように新聞紙面やテレビ
を賑わしている。

 そしてこれらの事件を起した会社の殆どは経営破たんを余儀なくされたり、
市場からそっぽを向かれ再起が危ぶまれたりしている。新聞の一面に載り大き
く報道されるケースは大企業だが、中小企業も決して例外ではない。それどこ
ろか、現実には殆どが中小企業であり、話題になりにくいために世間が知らぬ
うちに淘汰、粛清がなされてしまうのである。
自らまいた種といえどもその代償はあまりにも大きい。

 これらの企業はある日突然このような品質や信頼に絡む事件や事故が発生し
たのではない。
小さな品質ミスやトラブルが毎日毎日現場で発生しているが、段々と経営者も
幹部もそして現場も慣れてくる。そのうち段々とそれが普通のような感じになり、
潔癖感の薄れた環境になってくる。

 やがて少しぐらい不具合があってもそれが当たり前で、どうやって分からな
いように不都合を取り繕い、お客からクレームがあるまで責任者は黙認という
ことになる。

 それどころか、クレームがあっても当たり前の出来事で担当者だけで処理し
たりタイミングが遅れてしまったり、お客を怒らせてから慌てて幹部がお詫び
に駆けつける、ということになる。

 不具合品があっても目先の“儲け”が先にあり、お客が後になる。やがてそ
の結果が大きなトラブルにつながり、結局は取り返しのつかない破局を迎えて
しまうのである。

どのような場合も“小さなほころび”から始まる。このほころびを放置して
いるうちに経営者の心までほころび、やがてそれが会社の風土となってしま
うのである。

今生産をしている商品は、部品は、売っている品物は、サービスは・・・そ
の中に小さなほころびはないだろうか。“このくらい”と思う前に“どんな小
さなほころびも許さない”との眼で現場を見、品物を確認して欲しい。

経営の厳しい会社に共通していることは、“品質に対する考え方が甘い”とい
うことである。この甘さが経営の姿勢を甘くし、全てに妥協を生むようになっ
てくる。

ぜひ“経営の原点は品質にある”ということを再認識して欲しい。

              経営プロデューサー  吉岡 憲章

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