e-経営コンサルタント通信ではリストラ・資金繰り・経費削減などの問題を経営者の視点で吉岡憲章が経営コンサルティングいたします。

<> 96<>2003/03/26(Wed) 14:47<>実行の腰が引ける<> ***実行の腰が引ける***

 会社の経営改革を断行するに当たって、はじめに経営改革戦略計画書の立案・策定
ということになる。この立案に関しては社長を中心に検討や分析を積み重ねて、
“これならば改革計画の達成は大丈夫”というレベルにまで追い込んでいく。

 その間には、経営幹部も“これまで問題があったのは社長の方針がはっきり
しないからだ”との思いがあるから、この機会にかなり積極的に提案や発言をする。
こうやって、社長と経営幹部の間で侃侃諤諤の議論を戦わせ、方針や主要対策方法
などが決まると“経営改革戦略計画書”ができ上がる。

 次に、社員全員を集めて経営者からこの経営改革戦略計画書の発表会がなされる。
その後しばらくは全員が改革に向かって燃えているので“さあ、実行だ”
とムードは上がる。

 しばらくすると(大体発表会後1ヶ月くらい経つと)、
“何か動いてない”感じがする。
どうなっているのかを確認して見ると、結局のところ担当責任者から担当部門に
対策のための通達は出してある、という程度の進度であることが多い。

 さらに、それについて突っ込んでいくと“本当にやらなきゃいけないのでしょうかね”
との返事が返ってくる。私は頭の中が“???”となる。そして“ブルータス、
お前もか!”という気持ちを味わうことになる。

 このような返事は社長ではなく実施部隊長である経営幹部に起こるのである。
こうなるともう実行はついてこない。
それまでは、“方針をはっきりさせない社長が悪い”と言っていた同一人物が、
いざ自分の番になると腰が引けてくるのである。

 “本当に全力で実行しない”ことの繰り返しを、これまでにも何回も繰り返し、
結局厳しい経営になったのである。そしてまた始めからのスタートとなってしまう。

厳しい経営は、不景気や強力なライバルの出現の問題ではない。経営者・経営幹部が
何もやらないから、結局自分達で“厳しい経営を誘い込んでいる”のである。
このことをしっかりと頭に刻んでほしい。

 “へぼな改革”でも実行すればそれなりに効果があがる。“立派な計画”でも
実行しなければ効果は全く出ない。時間がムダなだけだ。

               経営プロデューサー  吉岡 憲章

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