e-経営コンサルタント通信ではリストラ・資金繰り・経費削減などの問題を経営者の視点で吉岡憲章が経営コンサルティングいたします。

<> 99<>2003/03/26(Wed) 14:50<>徹することがオンリーワンにつながる<> *** 徹することがオンリーワンにつながる ***

 “オンリーワンなんてとてもとても”とか“オンリーワンにはなれっこない”
と始めからオンリーワンになることを、不可能なことと避けている経営者がい
る。しかし、このように回避する社長の経営する会社は、やはり“これほどか”
というほどに経営が厳しい。
 
 オンリーワンに関連して、当メルマガVOL.95(7月10日号)の“会社が
いかに生きるかが大事”で、その考え方を少し述べたが、ここでは、いかにオ
ンリーワン事業を構築したかという実例を紹介して参考に供したい。

 自然食材のみを使用した居酒屋チェーンで“十他素 いろり席”という店がある。
“十他素”は“とーたす”と呼び、高木広茂社長が経営にあたり、神田、日本橋、
武蔵境そして名古屋錦町と4店舗を開いている。

 和風の小粋な入り口を入ると、そこは昔懐かしい雰囲気のいろりを囲んで、
自然農法による食材を自分で好きなように炭火で焼きながら食べるのであるが、
ここまでのところはどこにもある居酒屋で珍しくもない。

 それでは、何がオンリーワンか。それは出されてくる食材は野菜も米も味噌
も全てが無農薬、無添加の自然農法ではぐくまれたものばかりである。鶏も牛も
豚も魚貝類もいわゆる養殖物や素性の分からないものは一切使わない。

 最近、テレビや新聞を賑わしている中国産の農薬ほうれん草や、日本中を恐怖に
包んだ狂牛病(BSE)などの問題はここでは全く別の世界のこととなる。

 十他素では、野菜や米の購入にあたって徹底的に土壌の検査をする。何年も前から
化学物質を使っていなかったかを徹底的に化学分析する。これに合格した農家とだけ
生産の委託契約する。お茶の購入にあたっても、お茶畑の土壌検査をしたら
50年以上前にDDTを使用していたことが分かり契約をしなかったというほどである。

 ホタテも殻に養殖で貝を吊るすために空ける小さな穴が空いていない。完全に
自然のホタテである。鶏ももちろん地鶏、放し飼いで育てる。牛も北海道の
牧場と契約して十他素所有の牛の飼育を委託している。もちろん肉骨粉は絶対
に使わない。牛の栄養を考えた自社で配合した独特の資料を牧場に供給している。
牛乳も自分の乳牛から搾り、ノンホモジナイズ製法により成分無調整のこくの
あるものを作る。

 味噌も自然農法で作った大豆を天然発酵させる。肝心の日本酒も自然農法米を
醸造する。水は埼玉県神泉村の天然水を使う。従って日本酒もぶどう酒も銘柄は
当然のことながら“十他素”である。
 お店で出される飲み水もこれまた地の底から湧き出してきた水が空気に
触れる前にビンに詰めたものである。無酸化のため傷まず新鮮である。

 ある部分だけ自然食品を使った飲食店は数多くある。しかし口に入るものは
全てこれほどまでに自然農法に徹すると、もはやこれはオンリーワンとしか
いいようがない。

 よく考えて見ると、一つひとつのことは決して難しい、実現が困難なことで
はない。それらの個々をこれほどまでに徹底して積上げると素晴らしい特長に
なるのである。

 高木広茂社長は“全ての人に自然農法の素晴らしさを知ってもらいたいし、
食べてもらいたい。子供がもっと安心して食べることができる、そんな環境を
作りたい”との信念のもとに実現させたのである。

“十他素”でいろり焼きを食べたあとは、身体も心も洗われ元気がでたような
気がする。
 こんな“社長の思いを徹底的に実行する”ことが成功への近道となるのであ
ろう。決して不可能なことではない。

                経営プロデューサー  吉岡 憲章

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