e-経営コンサルタント通信ではリストラ・資金繰り・経費削減などの問題を経営者の視点で吉岡憲章が経営コンサルティングいたします。

<> 102<>2003/03/26(Wed) 14:52<>歳をとると改革はできないか<>*** 歳をとると改革はできないか ***


 我が国の少子高齢化の傾向は急激に進んでいる。そのためか周囲には私を含めて
シルバーエイジの姿がやけに目立つ。さらに会社の平均年齢もどんどん上がって
人件費がさらに増え、利益の足を引っ張っていることにつながる。

 大企業の場合は、給与体系がきちんとできており55歳からは定期昇給は
しないとか、役職にはつけない…などの策が盛り込まれている。人件費が
うなぎのぼりになることを抑えていることになる。

 例えば、月額本給50万円の58歳の人が5%昇給すると2万5千円人件費は
アップする。賞与が年間4ヶ月とすると賞与での増加分が年間10万円となる。
これは年間40万円直接人件費の増になる。

 一方、同様に月給30万円の30歳の社員だと同率で24万円であり当然の
ことながら58歳の人の6割ですむ。 もちろん大ベテランと中堅とは会社に
おける立場も仕事も内容も違うと思うので一概に比較できない。

 しかし、会社の経営を改革するに際して改革戦略を練る人は、社長以外には
この大幹部や役員クラスである。
その大幹部クラスが、社員のリストラを検討するときにまず始めに発想するの
は自分から距離のある若い社員達から合理化する(早い話が解雇する)という
ことである。

 その反面、指導をしている私や社長が大幹部の考え方や行動に対して強く注
文をつけると、返ってくる言葉が“自分はもう歳だから”とか“若い人と同じ
ようにはやれない”である。

 歳だからできないのであれば、若者より多く懐にしている給与も含めて返上
しなければならない。それはさておいての発言であるから、全くの説得力をも
たない。
 
 歳をとるということは、体力が衰えることである。しかし若い人より経験は
深まり、知力は研ぎ澄まされるのである。

商工中金の発行している商工ジャーナルに、“アクティブ シニア”という
特集があった。“歳をとったから…”と考える(言い訳する)ようになった時から
本当の老化が始まる、要するに気持ちの問題だと書いてあった。全くその通り
だと思う。

会社の経営改革を進めていくときに、その抵抗勢力になるのが、精神的にも
老化した役員や大幹部である。逆に大幹部が歳を口にしなくなった時、
会社の経営改革は本物になる。

これまでの長い経験が逆に邪魔をして何を改革すればよいかの発想すらでき
ない。改革方針に妥協をしてしまう。こんなことを私はしばしば直面し厳しく
指摘をする。この繰り返しが経営改革の現場の実態である。

 こんな精神老人の役員・大幹部は首を洗っておいた方が良い。若い人たちの
やる気を削ぐだけだから。

                 経営プロデューサー  吉岡 憲章

Copyright (c) 2003-2004  未来事業株式会社 All rights reserved.   Produced by i-pocket