e-経営コンサルタント通信ではリストラ・資金繰り・経費削減などの問題を経営者の視点で吉岡憲章が経営コンサルティングいたします。

<> 108<>2003/03/26(Wed) 14:57<>売上げ原価低減のポイントはこれ<> ***売上げ原価低減のポイントはこれ***

 利益を出す最大のポイントは経費を減らすこと。売上げ増に頼った経営計画では、
まず失敗するということはこれまでに何度も申し上げた。

 経費は基本的には売上原価と販管費と営業外費用に分けられる。
すなわち
利益=売上げ−(売上げ原価+販管費+営業外費用)+営業外収入+特別損益となる。

ここで少々乱暴だが分かりやすくするために、あえて近似的にこの式を置き換える
と次のようになる。(在庫増減などは横に置いておくこととする)
利益=売上げ−(原価+販管費+支払利息)   である。
これが利益を上げるために着眼するポイントの主要3経費である。

 販管費と支払利息をどう減らすかは別の機会に譲るとして、今回は原価率低減の
ためにどのように着目すればよいかの手順を説明する。

原価率向上の3大基本は以下の通りである。
1.特長のある仕事(オンリーワン事業)展開による絶対的粗利率の確保
2.売値確保
3.原価削減

“売値を確保”するためには、発注先との価格再交渉や原価率の悪いものの改善や
場合によっては継続停止などが効果的である。しかしこれも相手のあることゆえそう
奇麗ごとにはいかないが、基本的には徹底した原価管理をもとに粘り強い改善努力が
欠かせない。

“原価削減”については原価の構成を考えて見るとポイントがすぐわかる。
原価=仕入れ+外注費+労務費+直接経費   である。
したがって、原価を下げるためにはこれらのほとんどのファクターに関係する指標と
して“労働生産性”に注目すれば効果に直結する。

労働生産性={売上げ−(仕入+外注費)}/人数  であるから、仕入と外注費を
徹底して減らすことと、と労務費(人員)を削減することである。

 では、仕入や外注費を減らすにはどうするか。当然業種によっても異なるが共通し
て検討に値する対策例としては、納入価格の折衝や相見積り、業者の入れかえ、購入
方法の変更さらにはVA設計などが上げられよう。

 労務費を削減するためには労働効率の向上、すなわち能率や稼働率の改善が効果的
であるということになる。
そのためには、例えば
1.作業バランスの改善
2.物流の改善
3.中間ストックの削減
4.品質の向上
5.治工具、設備の改善
6.作業教育や環境整備
などがあげられる。

今回はこのように数式の展開を中心にして、利益を上げたり、原価率を向上するため
の対策の紐とき方を説明した。
どんな対策をすればよいかを思い悩んだ時には、利益の成り立ちをしっかり知ること
によって、目的論的に効果的な対策方法を導き出すことができるのである。ぜひ試し
てみていただきたい。

              経営プロデューサー  吉岡 憲章

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