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<> 111<>2003/03/26(Wed) 15:00<>経営理念と実行計画<> ***経営理念と実行計画***

 大抵の会社には“経営理念”がある…と思うが本当にあるのだろうか、
とつくづく思うことが多い。

 会社を訪問すると、社長室や応接室に“経営理念”とか“社是”と称するものが
掛けられている。その前に立って私は声を出して読んで見る。そうすると
確かに語呂は良い。しかしその中身に???と頭を傾げてしまうことがほとんどである。

 “株式会社○○は、お客様の立場に立って、…をし、世の中に貢献する”と
いうものが主流である。この株式会社○○を株式会社××に代えるとどこにで
も通用するのである。まるでマニアルを見てその通りに作った様なものである。

 経営理念とは、我が社が社会のなかで“拠って立ちたる”価値である。すなわち
自社が存続する意義やそのための基本的な考え方である。けっして模倣や
語呂合わせで作るものではない。

 経営をするにあたって、“原点に戻れ”ということを聞くことが多いと思うが、
この“原点”とは“経営理念”のことを指す。したがって方針や主要施策を決
定する場合にはこの“経営理念”に照らし合わせて決めるのである。経営理念
に適合していればGO! 背いていればNO!である。

 これほど大事な経営理念を忘れ去っている経営者がなんと多いことか。経営
危機はここから始まっているのである。

 私は、経営改革を進めるにあたって、“経営理念からの展開”を基本としてい
る。例えば“利益”主導の理念であれば、あくまでも利益に徹した方針や施策
が第一である。 “夢”的なものが中心であれば、例えば新規事業展開や下請
けからの脱出に関する方針や対策がもっとも重要である。

 このような考え方から出発した経営方針をさらに中期経営計画に数字として
表現していくのである。例えば“利益”主導であれば、中期的にどのようなレ
ベルの利益を狙うのかを数字で表す。“新規事業”であれば何年後にどのような
新事業を具現化し、そのための準備をどう進めるかが大事である。
 経営理念⇒経営方針⇒中期計画⇒当期実行計画と展開がされてこそ、初めて
“生きた経営理念”と言えるのである。この展開ができない経営理念は“飾り
の経営理念”に過ぎない。やがて埃にまみれて土偶のようになっていくのであ
る。

 もう一度自社の経営理念を確認してみてほしい。きっと何かに気がつくはず
である。

                 経営プロデューサー  吉岡 憲章

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