e-経営コンサルタント通信ではリストラ・資金繰り・経費削減などの問題を経営者の視点で吉岡憲章が経営コンサルティングいたします。

<> 115<>2003/03/26(Wed) 15:08<>国を滅ぼすのも会社を滅ぼすのも根は同じ<>***国を滅ぼすのも会社を滅ぼすのも根は同じ***


 サンデープロジェクトというテレビ番組を見ていたら、自民党の某実力者が司会者
を相手に“打倒 小泉内閣”論を声高に主張していた。“不良債権処理よりもどんど
ん国債を発行してでも景気浮揚を優先させよ”という主旨であった。

 司会者が“そんなに国債を発行すると子孫に借金のつけが残るではないか”との問
いに、彼は“どんどん国債を発行してでも景気を上げる。借金は子孫に残しても子孫
もその社会資産を使うのだから悪いとは思わない”さらに“国の負債以上の需要を上
げればよいではないか”と付け加える。

 小泉内閣云々はともかくとして、私は“この男が責任のある代議士でそれも総理候
補の一人なのか”と愕然としたのである。
基本的にはわが国の経済実態(企業であれば破綻懸念先の債務者区分に近い)を知ろ
うとしない姿勢、対策として国債の増発という切り口での展開、債務以上の需要拡大
というような現実味のないアドバルーン…。

 日本列島改造論の拡大思想が、平成に入って時代が移ってもそのまま継承された結
果バブル経済を生みそして潰し、今日に至らせた究極の経済犯が彼ら守旧派と言われ
る政治家達であろう。

 この大きな経済犯罪ともいえる大きなうねりに対して、企業は倒産の洗礼を受け、
銀行といえども経営陣の交代や金融機関再編成を重ねいくばくかの責任を取ってい
る(銀行に対しては更に言いたいことが山ほどあるが今回は控えておきたい)。

一方肝心な主犯ともいえる政治家(一部)達は何の責任を果たすどころか、いまだ
にそのころの主張を“わが身”のために続けているのである。景気浮揚論は選挙の票
につながるとの思いだろう。
これでは国を滅ぼすことにつながっていく。

 私の個人的な日本再生の方法は“徹底的な規制緩和を行い民間の活力を沸き上がら
せること”と“特殊法人をはじめとする浪費や補助金政治を完全廃止して、その予算
をわが国の将来を担う産業やシステムに集中して使うこと”である。この様に目的論
的に政策展開をすることにより、効果が期待できるというものである。もちろん国債
の増発などの必要はない。

 これらは企業に当てはめれば分かりやすい。売上低迷で人件費ばかり高く、年商の
10倍以上の借金がある会社がどうするか。

 社長がまずやることは、徹底した経費削減により支出を抑えること。そのためには
あまり働かないくせに給与ばかりやけに高い社員(特殊法人)や効果の上がらない社
内システム(規制や補助金)をまず文句なく淘汰する。
次に将来もっと利益の上がる事業を展開する(新産業育成)ということになる。その
間新たな銀行からの借金は増やさないし、約束手形(国債)の発行も抑える。この方
法が企業再建の基本であり要諦ともいえる。

 今回は政治のテーマのようであるが、私が本当に申し上げたかったのは“おろかな
政治家を見て反面教師としてほしい”ということである。
この政治家のように無責任で、無見識な中小企業の経営者も実は多いのである。すな
わち売上至上主義の見果てぬ夢を追っているうちに、やがて取り返しのつかぬことに
なるということである。

                    経営プロデューサー  吉岡 憲章

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