e-経営コンサルタント通信ではリストラ・資金繰り・経費削減などの問題を経営者の視点で吉岡憲章が経営コンサルティングいたします。

<> 120<>2003/03/26(Wed) 15:14<>どこよりも新鮮な地魚がある<>★★ 発展編 ★★

***どこよりも新鮮な地魚がある***

 繁華街を歩いているとあちらこちらで元気な居酒屋が目に付く。テレビでC
M中の“白木屋”、カリスマ社長の“和民”、大庄、養老乃瀧…枚挙に暇がない。
お陰で居酒屋業界全体としてはこの不況の中を前年比105%くらいの伸びを
示している。

 しかし、この成長のほとんどはこれら大型チェーン店舗政策によってどんど
んと新店舗が開店されていくからである。したがってこれらのチェーン店の看
板ばかりが印象に残ることになる。

 一方で既存店の売上げは前年比95%と落ちているのである。したがってこ
の結果を見ると居酒屋という商売はいつも新規開店、新装オープンを続けてい
かないとお客にあきられ他店に取られてしまう宿命を持っているということに
なる。

 大型チェーンは力に任せて絶えず新規店の進出が可能であるが、新規店や新
装オープンができない居酒屋は黙っていると衰退をしていくことになる。これ
ほど大変厳しい業界、業種といえよう。

横浜市関内に“味処 楽市楽座”という居酒屋がある。200席ほどのかなりの
規模をもっている。ところが立地条件が関内駅からかなり離れており、人通り
もまばらで立地条件が今ひとつである。従って客筋は官公庁の職員がメインで
ほとんどが既存客、馴染み客となってしまう。ということは来店数がどんどん
減少の方に一直線に向かうということである。

そこで“楽市楽座”の吉岡社長(偶然に私と同じ名前)はどうやって売上げ
を確保するかに頭を悩ます毎日であった。新装開店ができるほどの資金はない
し…。

 そのときに吉岡社長が考えたのは、“うちには他にない特長がある。これを徹
底的に生かそう!”。“楽市楽座”の魚は本牧港から仕入れられている。したが
って東京湾で獲れる季節の地魚である。しかも魚市場や魚屋から買うのではな
く、いわゆる“浜仕入れ”と呼ばれている浜に上がったばかりのものを直接手
に入れるのである。

 季節の匂いがする、時には一般的には口に入りにくい珍魚までが生きたまま
で店に持ってこられるのである。
そこで社長は“これこそオンリーワンだ”と、この特長をさらに徹底するとと
もに、POPから看板、メニューにまで徹底したことは言うまでもない。

“新鮮 地魚 浜仕入”のキャッチフレーズのもとに創作料理を提供する。既
存客からは“やっぱり美味い!”と再認識され、新規客も話を聞いて来店する
ようになった。社長の思いと着眼点、板場・ホールの担当達の気持ちが、オン
リーワン食材を通じてお客に届けられているということである。

 会社や店を発展させるには“他より安い価格にする”か“オンリーワン展開
をする”しか方法はない。しかし安い価格で提供するのは、場合によると身を
削ることになる。中途半端では命取り、成功するにはパワーがいる。
しかし、オンリーワンは経営者の着眼とアイデアで築ける余地がある。
ぜひオンリーワンの商売をすることに徹して欲しい。

              経営プロデューサー  吉岡 憲章

“味処 楽市楽座”のホームページは下記のとおりです。ご参考にアクセスしてみてください。
http://www.ad.wakwak.com/~rakuichi-rakuza/

もっと詳細を知りたい方は
  拙著“小さな会社が成功する法”(廣済堂出版)を参照ください。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4331508633/

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