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<> 122<>2003/03/26(Wed) 15:18<>シルバーベンチャーを“豆腐”で支援する&良再建の責任を取るのは誰だ<><発展編>

***シルバーベンチャーを“豆腐”で支援する***
 
株式会社篠崎屋は豆腐(同社では豆富と書く)の製造・販売を専業にしている。1987年
創業の埼玉県越谷にある若い会社である。といっても家業としては父親の代からだか
らかなりの歴史になる。
社長は樽見茂氏、1963年生れの若き経営者である。彼が学生だった頃から父親の
豆腐店内で、製品の豆腐は父親から仕入れ、包装機器は母親からの借金で購入すると
いう“店内独立”の状態で仕事をした。

従来絹ごし豆腐は天然にがりを使用すると急速に固まりなめらかにならない。そこ
で薬品を使うことになるが、それでは豆のうまみが出なくなる。樽見氏は試行錯誤を
重ねて天然にがりを使った絹ごしを作ることができるようになった。業界で始めての
画期的な開発であった。さらに丸い容器に入れた寄せ豆腐も氏の開発である。

篠崎屋は当初スーパー販売の比重が多かったが、自前の販売網を作ろうと直営店に
よる販売に切りかえた。現在、豆腐工場3ヵ所、豆腐販売店が30店舗、豆腐料理店
も30店舗を直営で経営している。さらにフランチャイズチェーンを積極的に展開し
ている。店の名前は「三代目 茂蔵」と言う。

篠崎屋のFCに加盟する条件は何と店主の年齢が50歳以上という決まりがある。
何故か。
樽見社長は「豆腐には日本古来の文化、伝統がある。昔ながらの豆腐の味をお客様
に提供するにはシルバーの人の方が適している」と言う。お客様と世間話をしながら
でもおいしい豆腐料理の仕方を教えることができる。儲け優先ではなく趣味の店でも
よいからスタートして地道に伸ばしていく。そのためには年配者が最適だという。ま
さにオンリーワンの存在である。

さらに「これからはシルバーベンチャーの時代ですよ」とまで言う。ここまでシルバ
ーに期待し、応援できるFC体制を築くことに氏は全力をあげている。
年商は13億円、もちろん豆腐関連商品のみの売上げである。
 
さらにこの2003年秋には篠崎屋をマザーズ市場に上場することを計画している。
上場して世の中から認められることによって、「おい豆腐屋」と呼ばれる業界のステ
イタスを何とかしたいという。これほど一つの業種を情熱と夢を持って徹底的に追求
すると必ずやオンリーワンになれる。自社のオンリーワンをどうやって作るかを思案
している諸経営者の方々にこの話を贈りたい。
             
 経営プロデューサー  吉岡 憲章
 
*参考   篠崎屋のホームページは   http://www.shinozakiya.com/

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<徒然編>

***不良再建の責任を取るのは誰だ!***

 新聞やテレビでは“不良債権処理”に関するニュースがいつも大きく扱われている。
もういい加減にしてくれ、と言いたくなるほどである。なぜならこのニュースは直接
または大企業経由で中小企業の息の根を止めることにつながるからである。
 
 1988年ころに始まったわが国の資産バブル現象は10年後の92年ころから崩壊が
始まった。それから今日までに大手銀行だけでも70兆円もの不良債権処理損失を出
している。しかもいまだに24兆円を超す不良資産残を抱えている。

 これほどのバブルを作ったのは誰だ。言うまでもなく銀行と一部ゼネコンと政治家
達ではないか。古い例えになるが1941年に太平洋戦争に導いたのは日本側では当時
の軍閥と財閥と政治家である。

 終戦後、軍隊は解体され財閥も分割された。政治家も追放された。一方経済戦争に
敗れた現在誰がバブルの責任を取ったか。ゼネコンは債権放棄をされ生きのび(血税
に負うところ大)、銀行は経営統合で生きのび、そして政治家や官僚の誰がバブルの
責任を取ったか。

宗男氏などの罪はこれらの巨悪に比べれば小さい、小さい。反省どころか道路族や
郵政族などになって利権の確保に熱心だ。官僚も特殊法人や行政法人に天下りして何
度かの退職金を確保する。

1992年以前に国会議員になっていた政治家、幹部になっていた官僚、銀行幹部、
債権放棄をしてもらっているゼネコン幹部は追放だ。彼らの罪状は国家経済低迷罪と
税金搾取罪、中小企業経済破壊罪だ。すでに貰っている賞与や退職金は全部返上せよ。
それらは中小企業の再建資金に使うのだ。

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