e-経営コンサルタント通信ではリストラ・資金繰り・経費削減などの問題を経営者の視点で吉岡憲章が経営コンサルティングいたします。

<> 123<>2003/03/26(Wed) 15:20<>金利の7・5・3 & 不良債権処理は景気とは関係ないところにある<><改革編>
         
*** 金利の7・5・3 ***

 金融機関による貸し渋りや貸し剥しの恐怖に中小企業はさらされている毎日である。
手形貸付などではその期限が次の融資が打ち切られる最適の日である。もっともこれは
銀行にとって最適であるということ、企業にとっては“最悪”である。

 しかし、こうやって貸し剥しや強制回収に怯えるのも元はといえば“借りたから”。
しかも昔はかなり銀行も融通を利かせてくれたし、場合によっては銀行から“借りてく
れ”と頼まれて“借りてやった”こともしばしばであろう。

 金は邪魔にはならないとばかりに借りていたら積もりに積もって莫大な借金ができ
た。設備投資をして生産性を上げようと設備資金を借入れたら思惑は大幅に外れたし、
余った金額もつなぎ資金に回ってしまった。やはり残ったのは借金だけ。

 おおよそ、先行きの経営を考えずに成り行きで借りてきたことが現在のような経済低
迷のなかでは重くのしかかるのである。しかしどんなに理由があろうとも大きな借金を
作ったのは社長の責任。他人を攻めることはできない。

 “金利の7・5・3”という原則がある。これは製造業においては金利が売上げ比3%
以内であれば健全経営ができる。5%〜3%だと要注意、7%〜5%だと危険な状態に
ある。それ以上だと危機である、ということを意味している。これが小売業やサービス
業だと5・3・1となる。

 ぜひ現在の自社の借入れ金利が売上げに比べて何%なのかを把握してほしい。金利が
売上げ比3%(小売業、サービス業では1%)を超える企業は、その圧縮に全力をあげ
てほしい。定期預金を担保に入れている場合などは即刻相殺をして金利を減らしてほし
い。

            経営プロデューサー  吉岡 憲章
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<徒然編>

*** 不良債権処理は景気とは関係ないところにある ***

 政府の金融再生政策の一環として“不良債権の処理”が相当強力に進められている。
この点だけから見れば従来の政府と違ってかなり強力に実行していることが実感とし
て分かる。おかげでRCCは大忙しである。

総理は“改革無くして成長なし!”と声高かに叫んでいる。そのこと自体には間違い
がないと私も思う。しかし肝心なことは“改革”の中身である。
金融改革のうち“不良債権処理”は成長とは全く関係がない。それどころか目先で言え
ば成長の脚を引っ張る何者でもない。不良債権処理はわが国の経済・金融体制を正しい
姿にすることに狙いがある。長期的な安定経済を支えるための基盤と考えたい。

 それでは“成長させるための改革は何か”。決して国債の乱発や公共事業拡大ではな
い。それは“産業改革”であると思う。それはこういうことである。まず規制を徹底し
て排除することにより民間が望む分野に積極的に挑戦できる風土を作る。次に特殊法人
や行政法人を解散し民営化する、補助金・助成金制度を中止する。これらによって浮く
資金を全て新規事業や新産業に挑戦する中小企業を積極的に支援し、需要を喚起する政
策に投入する。

 こんな産業改革戦略が展開されれば一気にわが国の経済は回復し、国際競争力もトッ
プレベルに復活できると信じているのだが。

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