e-経営コンサルタント通信ではリストラ・資金繰り・経費削減などの問題を経営者の視点で吉岡憲章が経営コンサルティングいたします。

<> 125<>2003/03/26(Wed) 15:23<>今日の目標を伝えよう & 頭に来るぞ 特殊法人!<><改革編>

***今日の目標を伝えよう***

 その昔、大相撲の名横綱であった初代若ノ花は金は土俵の中に埋まっているとの名
言をはいた。経営改革のための利益の根源は現場にある。製造現場であり販売現場で
あり建設現場などである。何だかんだと言ったところで本社では利益を生み出さない。

 しかし経営が厳しくなった会社の現場に行ってみると例外なく現場が汚く雑然とし
ている。さらに作業員や店員に“あなたの今日の目標は?”と聞いても“聞いていま
せん”とか“分かりません”との回答が返ってくる。たまに答えてくれると寝ないで
もやらなければできない数字や2時間で終わってしまう目標である。

 今日の自分の数字的な目標を知らされていないのである。製造ならば○○モデルを
100台とか、販売ならば今日の売上目標は××を150個などのようなことである。決
して難しいことではない。
 
 このような目標がはっきりとそれぞれに伝えられていてはじめて効率のアップや利
益を生むということがでてくるのである。最低限のことがお宅の会社でも実行されて
いないのではなかろうか。心配である。

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<徒然編>
 
***頭に来るぞ 特殊法人!***
 
 私はかねてから特殊法人や行政法人、補助金制度を全廃してその分で中小企業を中
心とした新産業を起こさない限りわが国の経済の真の改革はないと主張している。

 つい先日週刊文春に “天下りの達人がいる限り、消費税率アップは後回し”という
タイトルで猪瀬直樹氏の執筆があった。これを読んでいて私の怒りはまたメラメラと
燃え上がってきた。ぜひこの猪瀬氏の記事の主旨を当紙面を通じて各位に紹介する。

 特殊法人“雇用・能力開発機構”が雇用保険の資金455億円を使って5年前に小田
原市に敷地73,000坪12階建ての豪華リゾート施設を建設した。“スパウザ小田原”と
いう。これを今回わずか8億円で小田原市に売却するという。差額の447億円はムダ
に消えた。

 スパウザ小田原の年商は26億円、利益は僅か256万円である。しかしこれでも建設
費は既に旧雇用促進事業団が払っているから負担はない。ここで働く職員124名が食
べていけばよいだけだから気楽である。
 
一方、清水傳雄氏は92年6月に労働事務次官になり、93年7月に雇用促進事業団
の理事長に就任、5年間在籍した間に退職金2750万円を含めて1億5千万円の所得を
得た。
雇用促進事業団理事長のときに設立計画を立てておいたスパウザ小田原は98年3月
にオープンした。清水氏は雇用促進事業団理事長退任後に財団法人中小企業国債人材
育成事業団に特別顧問として天下った。ここで得た報酬は2千万円。
99年7月清水氏はいよいよスパウザ小田原の運営のために作られた勤労者リフレッ
シュ事業振興財団の理事長になった。これで来年理事長を退任すると退職金を含めて
軽く1億円を超す所得を得ることになる。
事務次官の退職金から含めると清水傳雄氏は10年間でおおよそ3億7千万円の大金
を得たことになる。
結局これらの計画的な天下りによる所得とスパウザ小田原の巨額な金はだれが出し
たのか。労働者と中小企業経営者が汗水かいて拠出した雇用保険金と国民の税金から
出ていることになる。

猪瀬氏のみならず私も黙って入られない。こうなってはもう計画的な犯罪と同じで
ある。この金があればどれだけの中小企業が救われると思っているのだろうか。

                 経営プロデューサー  吉岡 憲章

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