e-経営コンサルタント通信ではリストラ・資金繰り・経費削減などの問題を経営者の視点で吉岡憲章が経営コンサルティングいたします。

<> 126<>2003/03/26(Wed) 15:24<>むだなスペースでも金を生み出す & 変だぞ ゴッホ!!<><改革編>
***むだなスペースでも金を生み出す***

 受注が減少してくるとこれまで使っていた工場や事務所も場所的なゆとりが出て
くる。さらにこれが進むと工場全体がガラガラになってくる。しかし工場の使い方は
これまで通りの状態がいつまでも続く。
 
 普通なら生産量が1/3減れば、それに応じて現場も1/3狭く使えば全体の作業
密度は変わらぬはずだ。しかし大抵の会社ではこの様な対応をしないでそのままの状
態が続く。すなわちスペース効率は悪化しているわけ。

 なぜ狭くしないの?と聞くと“だって広い方が使いやすいから”とか“空いたスペ
ースの使い道がないから”と答える。しかし少なくても虚業でないかぎり“面積が付
加価値を生み出す”ということを忘れてはいけない。

 できる限り場所を詰めて、空いた場所に貸し倉庫に預けている在庫を引き取って置
けば倉庫代はかからない。使わない場所は電気も落としてしまえば経費削減になる。
駐車場スペースが空けば外部に貸せばよい。1棟空けば貸事務所や貸し工場にすれば
よい。

 とにかく考え方一つでスペースは金を生み出してくれる。これができているところ
は経営が厳しくならない。しかしこの感覚がない会社はむだを垂れ流しているのだか
ら経営は落ち込んでいく。店舗だけがスペースを重視すればよいのではない。

 あなたの工場、お店、事務所の坪当たりの稼ぎは幾らですか?
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<徒然編>
***変だぞ ゴッホ!!***


 つい最近印象派の巨匠ゴッホの“農婦”と題する絵画がオークションにかけられ
6,600万円で落札された。洋画家中川一政氏のコレクションであった。当初、この作
品は作者不詳とされ落札予想価格は1万円であったという。

 ところがこの作品がオランダ・アムステルダムのゴッホ美術館の調査で1884年か
ら85年の間に制作されたゴッホの真作と特定された。そして上記のオークションに
かけられ6,600万円となったのである。

 しかし、この派手なニュースを報ずるテレビも新聞も6,600万円という金額を大々
的に報じるだけ。買ったのが広島県のワットマン美術館なので海外に流れなくて良か
った、という論調であった。

 でもどう考えてもこれはおかしい。そもそもこの作品の絵としての芸術価値は1万
円そこそこなのだろう。だから作者不詳のときの落札予想価格は1万円だったのだ。
ところがひとたびゴッホの真作と大騒ぎで報じられた途端、みるみるうちにその値は
6,600万円に跳ね上がった。

 この大きな差額は何か。これが芸術価値とはおよそ離れたところにある商品価値な
のだろう。いかにゴッホといえども芸術価値は1万円しかないということの証明であ
る。またいつの日か“やっぱり贋作だ”ということが分かったと報じられたらこの商
品価値も1万円にもどる。 “商品価値−芸術価値=ゴッホという名のバブル” で
ある。

 本当に芸術を愛して育てるなら、このバブル騒ぎに金を使うより新人の芸術家の育
成に使ったらいかが?
企業経営においても本当の企業価値とイメージが遊離している場合もかなりあるの
が気になる。

               経営プロデューサー  吉岡 憲章

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