e-経営コンサルタント通信ではリストラ・資金繰り・経費削減などの問題を経営者の視点で吉岡憲章が経営コンサルティングいたします。

<> 128<>2003/03/26(Wed) 15:28<>人生はロマン 経営はリアル & 構造改革特区っておかしいじゃないか<><改革編>
         ***人生はロマン 経営はリアル***

◆人が人を使う、人が人とつながる。これが企業活動のおおもと。この活動を束ねてい
るのが経営者の夢と熱意。会社を起業するとき、2代目で引き継ぐとき、それぞれに「こ
の会社を将来こうしてやろう」、「こんな会社にしたい」という夢があった。今それを尋
ねると「……」。これでは会社が厳しくなるのは当たり前。なぜなら会社は社長の夢の
実現に向かっているのだから。

◆目先の資金繰りやトラブルに直面していくうちに夢がぼやけて幻になる。行く先が見
えなくなった船はあてどもなく荒海をさまよい、やがて沈没するのを待つだけとなる。
この夢をはっきりさせるのが「経営理念」や「経営ビジョン」。経営者のロマンといえ
る。ただしこのロマンが入り込んでよいのもここまで。これから先の実経営には一切ロ
マンが入る余地を作ってはならぬ。ロマンは「経営理念」という通路を通じてだけ経営
に入り込んでいく。

◆一方「実経営」とは「経営理念」(ロマン)を具現化すること。そのためには数字が
基調となっている。したがって「経営はリアル」の一言に尽き一切の妥協を許さない。
すなわちKKD経営(勘と経験と度胸の頭文字)では経営はできない。

◆全ての経営判断は数字がもとになる。経常利益、売上総利益、労働生産性、自己資本
比率、資金繰り…。これらの数字を直視して(社長たるものこの程度の経営指標を理解
できるのは当たり前)「わが社の経営力」を自分で診断する。そうすれば真実の“わが
社の経営力”が分かる。これが「経営はリアル」ということである。

◆ 実は経営者の中には「こんなに厳しくちゃ人生に夢などない!」とか、従業員に
「頑張ろう。いつかは良くなる」と言ってはばからぬ人が多い。これでは全く逆で、「人生
はリアル、経営はロマン」となってしまう。こんなことを言っているうちに「破綻」という
ゴールが近づいてくる。

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<徒然編>
        ***構造改革特区っておかしいじゃないか***

◆特区とは、特別の制度で産業活動を行うことを認められた地域のこと。様々な規制(制
度)がやさしくなるので地域産業を活性化できるといわれており、成功例は国内全体に
広めようというのがその基本的な考え方。

◆これが政府の構造改革特区設定の狙い。規制緩和を通じて産業改革をするための切り
札的な施策として登場した。

◆“特区”と聞いてまず思いつくのは、中国の「経済特区」。中国は1980年代に
国をあげた「経済開放政策」の一つとして、深センや上海などの沿海部を経済特区にした。
特区内で活動する外国企業(外資)には、税金を安くしたり、商品やサービスの価格を自
由にしたりした。こうした経済政策が現在、中国が経済成長するためのモデルの一つな
ったと言われている。

◆しかしここでおかしいことがある。わが国は中国のような共産主義の国ではない。世
界に誇る(?)自由主義の国。なのに特区を設けて規制緩和を恐る恐る実験的にやって
みるなんて。いつの間にわが国は社会主義になってたんだ?!

◆本来有るべき特区というのは「規制特区」であるはず。まずわが国の規制を全部取り払
う。その中で規制をしなければならない事項だけを「特区」にして例外的に扱う。
これが本来あるべき姿。だから現在提案されているような“ちんけ”な特区案でさえも
抵抗勢力に抑えられて沈没してしまうのだ。

◆まるで「規制を外してやる」なんて感覚が剥き出しの「構造改革特区」なんて
まやかしもいいところ。こんな構造改革意識では産業改革などできはしない。だから
景気は良くならないのだ。政治家も官僚も顔を洗って出直して来い!

                  経営プロデューサー  吉岡 憲章

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