e-経営コンサルタント通信ではリストラ・資金繰り・経費削減などの問題を経営者の視点で吉岡憲章が経営コンサルティングいたします。

<> 132<>2003/04/02(Wed) 10:31<>いつ 白旗を揚げるか & 自分の都合だけでは通用しない<><改革編>

*** いつ 白旗を揚げるか ***

 今回はある経営者の奥さんからの経営相談を紹介したい。

[質問]
私の主人は小さな工事会社を経営しています。不況のために受注が減少しています。
おかげで会社の預金も個人の預金も減る一方です。銀行に相談に行っても,お宅には融資ができないとケンモホロロに言われてしまいます。主人は“俺は現場でがんばるから金策はお前がやれ”と言われて途方にくれています。どうすればよいのでしょうか?

[回答](吉岡)
次の2つのことをすぐにやってください。
1)ご主人にすぐに私(吉岡)宛に連絡をするように伝えてください。私が経営責任者であるご主人にもし経営破綻をするとどうなるかを説明し,直ちに経営改革をする
ように説得しましょう。
2)奥さんは次のことを理解して準備してください。万一会社が倒産し破産をするにしてもお金がかかります。あなたの会社では裁判所や弁護士の費用だけでも400万円
くらいかかります。社長個人も破産をすることになればこれに300万円くらい加わります。破産するとその後1年以上収入はない覚悟が必要です。さらにやがて立ち直る
ためにも費用がかかります。そうすると全部で少なくても2000万円くらいのお金が会社の預金通帳と奥さんの通帳になければ,万一の場合あなたの家族は夜逃げをしなければならなくなります。そうすると地獄です。両方あわせてこの金額を切りそうになったら白旗を揚げてください。いつもそのくらいの緊張感を持ってご主人と接して
ください。

最近,社長から直接相談の申し入れがあるのではなく,奥さんから「何とか助けてほしい」というSOSが寄せられることが多くなってきた。奥さんの方が経営改革に真
剣なケースも多い。中小企業の社長はいい加減な男より真剣な女性がやった方がうまくいくかも知れないかな。

                  経営プロデューサー  吉岡 憲章
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<徒然編>
***自分の都合だけでは通用しない***

私が心から尊敬する大先輩の一人である金子 真氏にお会いして心打たれるお話をいただいた。金子氏は社団法人中高年齢者雇用福祉協会(JADA)のシニアコンサ
ルタントをしておられる。JADAは読んで字のごとく中高年の再就職の斡旋や教育を主体としている。

最近金子氏はA氏を伴って彼が望むB会社の人事責任者を紹介した。しばらくのやり取りの後,B社に採用された場合の条件が出された。その条件を聞いたA氏は一
言のもとで“私はその程度の給料では生活ができないので働けません”と言った。それを聞いて,先方も唖然としたが金子氏も相当頭に来た。もうその席では金子氏
はフォローする気すらなくなってしまった。退席してから金子氏はA氏を次のように諭した。

金子氏「なぜあんなことを言ったの?」
A氏「 私が満足に生活をするためには月90万円欲しいんです」金子氏「 それぞれに希望があるのは分かるが,そんなことより貴方がどれだけ会社に貢献できるのかが大事なのじゃないのか。自分の都合での希望金額だけを主張するのでは世の中を知っているはずのキャリアとして通らないよ」
A氏「 そんなに大変なのですか?」
金子氏「貴方は大企業の幹部だから知らないのかな。今の世では貴方くらいの年代の人たちは自宅を小さな家に換えてローン支払に対応したり,奥さんが勤めに出
たり四苦八苦しているんだよ。皆自分の都合を主張するのではなく,自分たちの生活を縮めても何とか対応をして頑張っているんだ」

酒を飲みながら金子氏からこんな話をお聞きした。経営者もこの程度のレベルが残念ながらたくさん混じっているのもこれまた事実である。

JADAのHPは次の通り。是非参考にアクセスしてほしい。
        http://www.jada-prep.jp

Copyright (c) 2003-2004  未来事業株式会社 All rights reserved.   Produced by i-pocket