e-経営コンサルタント通信ではリストラ・資金繰り・経費削減などの問題を経営者の視点で吉岡憲章が経営コンサルティングいたします。

<> 134<>2003/06/16(Mon) 15:16<>値下げを無理強いされるばかりか & “特区でも<><改革編>
***値下げを無理強いされるばかりか***

◆長い出口の見えないデフレが続いている。その結果、商品や受注単価は下がる一方。いや下げなければ売れない、受注が取れないということになってしまうからやむを得ず値段を下げてしまう。

◆下げた分だけ取引先にしわ寄せできればよいが、これ以上は厳しい感じがしてなかなか先方に言い出すこともできない。結局わが社はサンドイッチ状態になり利益が削ぎ落とされ厳しい経営になる。

◆価格政策は通常は買う側の要求に引っ張られることがほとんど。その上一度決めた単価はなかなかそのままで固定してくれない。やっと合理化してその価格で利益が取れるようになったと思ったら、次のコストダウン要求がくる。

◆そこで利益を確保するためにさらに合理化を積み重ねる。しかしこのままでは尻つぼみになることは目に見えている。

◆少しでもこれを解決するためにやることは次の二つ。
1.取引先(商品)ごとに、粗利益を把握して低い順に値上げ交渉をすること。これを実施することによって値上げ要求が通る確率は10〜20%。値下げ要求
を食い止めれるケースが30%くらい。ケースによって異なるがおおよそ半分くらいは相手のいいなりにならずに済むということ。
2.前項とはまったく立場を換えて、取引先にコストダウンを要求する。これでまったく成果が出ないケースが半分くらい。ということは半分くらいは何らかの形で納入単価が下がる。

◆このアクションが成果を勝ち取るためには不可欠な条件がある。それはしっかりした原価管理をすることと、先手を取って申し入れることである。後手では何の役にも
立たない。

        経営プロデューサー
                  吉岡 憲章
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<徒然編>
***“特区”でも利権が先?!***

小泉改革の一つとして規制緩和対策のために“特区”が注目を受けている。以前にも紹介したがこの“構造改革特区”とは市町村や県などが特定の地域を指定して地域が希望する規制を緩和する制度である。しかし海外の特区とは違って、税や補助金などの支援はない。規制緩和のためのドリルの刃である。

日経ビジネス誌によると全国の自治体を通じてこれまでに1151件の提案がなされた。例えば“学校教育への株式会社、NPOの参入”や“トレーラーの車高規制の緩和”…である。

しかしこれらの提案が特区または全国で実現が出来る率は124件、実現率は何と10.8%に過ぎない。なぜか。それは管轄省庁が提案を潰した結果である。
実現率が低い順に総務省4.9%、農林水産省5.0%、文部科学省8.4%である。

提出された案はそれぞれの自治体で検討吟味したものであるからおかしなものではない。それが通らないのは幾らそれらしい理屈をつけてみても結局は担当省の利権
を損なう恐れのあると思われたためだ。省利省益が優先されている典型である。

わが国の景気は幾ら国債を発行しても根本的には良くならない。国の仕組みを変えなければ本当の発展はない。それには大きなポイントが規制の全廃で肝要ある。その糸口となるべき“特区”に対する対応がこれでは先が思いやられる。

利権の塊である議員先生と官僚がいる限りわが国の経済再建は程遠い。もっと怒ろうではないか。

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