e-経営コンサルタント通信ではリストラ・資金繰り・経費削減などの問題を経営者の視点で吉岡憲章が経営コンサルティングいたします。

<> 142<>2003/06/17(Tue) 14:26<>経営理念と企業成長の関係は? & 金融対策編(4)<><改革・発展編>
***経営理念と企業成長の関係は?***

◆経営理念は経営の原点である。誰でも会社を創業した時や先代から経営を任されたときには“わが社をこのようにしよう”という夢や目標がある。もちろん“漠然とした思い”であったり、社長の頭の中にだけ存在する場合が現実には多いが…。

◆やがて会社もある程度成長してくると、社長のこの思いをもっとはっきりと表現をして、社員たちに理解をしてもらい協力を求めるようになる。ここで経営理念が明確になる。

◆それでは経営理念はどのようなものが良いのだろうか。もちろんそれぞれの経営者の目指すところは違うのだから“こうでなくてはならない”というものはない。しかし、どのような経営理念なら会社がより成長する可能性が大きいかということは傾向的につかめる。

◆人間にはホンネとタテマエがある。社長といえども例外はいない。事業経営においてホンネは“儲けること”である。タテマエは“貢献”することである。例えば地域に貢献、業界に、文化に貢献…であろう。

◆中小企業において“ホンネ”が入っている経営理念は全体の98%、ほとんどの企業に“儲ける”キーワードが入っている。さらに“タテマエ”(貢献)も併せて入って
いる企業は47%である。したがって半分の企業が“ホンネ”だけ、残りの半分の会社は“ホンネ”と“タテマエ”を併せ持っていることになる。

◆さて、これらの中小企業が最近2年の間にそれぞれの経営理念グループがどのくらい成長したか。成長のパラメーターとして、従業員がどのくらい増加したかという“従業員増加率”で比べてみる。
  ホンネのみの経営理念の会社    ▲ 2.1%
  ホンネとタテマエ併用の会社    +11.4%
             (中小企業庁“経営戦略に関する実態調査”2002年)
“儲け”のみの会社は増加どころか規模が小さくなっている。“儲け+貢献”型の会社は10%以上の成長をしていることになる。大事なことである。
 
◆私が経営理念について毎度うるさく申し上げているのはこのような実態があるからである。“小さな会社に経営理念はいらない”という経営者も多いし、コンサルタント
の中にも経営理念を十分理解していない人もいる。
冗談ではない。経営理念がない会社などはこの世に存在するだけでも迷惑なのである。
  
         経営プロデューサー  吉岡 憲章
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<金融編>
***銀行員を貸す気にさせるテクニック 4***

銀行の報告体制ほどいい加減なものはない。自分の会社に来ている銀行の担当者を思い浮かべて欲しい。あなたが銀行へ依頼したことへの回答はスムーズに返ってくるだろうか。銀行へクレームなどを言ったときの反応はどうだろうか。銀行では、毎日営業会議を行っている。その時に、お客さんからの依頼事項や申し込み事項を逐一報告することになっている。それが問題なのだ。

「優秀といわれる銀行員ほど上役の顔色を見て行動する」―そう言うものである。だから、こんなことを言ったら支店長の機嫌が悪くなる。この取引先は,支店長があまりよく思っていない、と担当者が自分で判断してしまいあまり報告をしない。

銀行員が考えている出世の秘訣、それは上司によく思われること、出来る限りおとなしくしていて失敗をしないこと、その為にはあまり積極的にならないことである。その一方で現場を一番理解し、会社の情報を一番持っているのが担当者。彼の意見が支店・本店宛の稟議に反映するのもこれまた事実。日頃から担当者に厳しく対応していると融資は実行されないと思ってもらいたい。

銀行の担当者は、会社の味方であり理解者であるという認識をとりあえずは持つことが必要である。そして担当者にはきちんと対応することが必要である。

融資の申し込みなどをしてもなかなか返事がない場合、上記に書いた銀行の報告体制を思い出して欲しい。その場合はとりあえず担当者に連絡し,それでも駄目だったら直接上司に連絡するからと担当者に言って欲しい。
必ず翌日には担当者から連絡が来る。 銀行とは、そういうものなのだ。

      マネジメントコンサルタント 奥山 孝司

Copyright (c) 2003-2004  未来事業株式会社 All rights reserved.   Produced by i-pocket