e-経営コンサルタント通信ではリストラ・資金繰り・経費削減などの問題を経営者の視点で吉岡憲章が経営コンサルティングいたします。

<> 28<>2003/03/26(Wed) 12:23<>合理化ってどうやるの?<その2><>***合理化ってどうやるの?*** 
                    <その 2>

★前号から続きます。
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★★人件費の合理化について

人件費の合理化は社長の一番嫌なこと、逃げ出したいことの最たるもので、や
らないで済む“言い分け”をしきりに考えるのですね。
私の経験した倒産例でも、もっと早く人員の合理化をやっていれば救われたと
言うケースが、山ほどあります。

私   「早くリストラ(この場合は人員削減の意味)をしないと取り返しのつ
かない事にりますよ」
社長  「リストラをするのは、倒産を先伸ばしにするだけで今度良くなった時
に立ち上がれなくなるからやりたくない。むしろここで売上を上げる
ことに方向を向けたい。そうすれば人を切る必要も無いんだから。」
私   「ちょっと経営の現状を甘く見ているのではないですか?先行きの良
くなったときの事を心配していますが、今を乗り切らないと先なんか
無いんですよ。
売上を上げたい気持ちは分かりますが、確実な売上増加見込みは今は
無いんだから・・・売上を上げたい・・では希望に過ぎませんね。」
社長  「だけど、私にも立場があるし、首を切ったら周りから何ていわれる
か・・・」
私   「潰れたら立場どころでは無いんですよ。すぐに人員削減の計画に入り
ましょう。
次までに具体的に固有名詞(削減をする氏名)を出してください。」

リストラ イコール 人減らしと言っても良いほど、最初に出てくるのが、こ
の人員削減です。
この人員の合理化と言う事については、様々な議論がなされそして何が正しい
のか結論がでません。
と言う事は、終身雇用の日本的考え方と、すぐにレイオフに入る欧米的な経営
の合理化を求める考え方、雇う側と雇われる側の違い等、立場の相違により発
言が違います。

しかし、経営の前線においては、理屈はともかくとして(基本的に人を“大切
にする”と言う気持ちがあると言う事が前提ですが)、人員削減をしなければな
らない事態に直面する事が多々あります。
従ってこの場においては、人減らしの是非をウンヌンするのではなく、やむな
くそのような決心をした場合のことです。

経営の神様と言われたあの松下幸之助翁が“絶対に人を解雇してはならぬ”と
の理念のある松下グループでさえ、肩叩きがやられて来た実情がある位ですか
ら。

しかも中小企業の経営改革においては、大体が切羽詰まっており、いかに早く
人員合理化の決心をし、それを計画的に“断固実行”することが重要です。
“計画的”と言う事は、大変な意味があります。

というのは、人を解雇するのは“お金が掛かる”と言う事なのです。
例えば、退職金、予告手当ては間違い無く掛かります。
プラスアルファをしなければならない場合も出てきます。
会社都合の退職があるとその筋からの補助金等は一切貰えなくなります。

また、社員は物ではありません。
家庭の大黒柱であり、感情も思い入れも有るはずです。
今回残念ながら別れなければならない訳で、これも経営者の責任なのですね。
出来る限りの、これからの就職先の面倒もしたいものです。
そのためにも、きちんとした計画が必要なのです。

次に“断固実行”ということですが、これがなかなか出来ないんですね。
そもそも、社長自身が最もやりたくない、出来れば避けて通りたいテーマです
ので大概が屁っぴり腰です。

だから、ほんの少しの理由を見つけては実行を先伸ばしにします。
計画を立てたときの意気込みは何処へ行っちゃたのかと思う位です。
切られる社員が可愛そう、噂が怖い・・・、もしかしたらこの受注が取れてリ
ストラの必要が無くなるかも知れない・・・。

でも計画時と状況は全く変わって無いどころか、時間が延びるだけ環境は悪く
なっている場合が殆どです。

(以下次号)

   ★★スペースの関係で以下次号に掲載させていただきます★★

               経営プロデューサー  吉岡憲章

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