e-経営コンサルタント通信ではリストラ・資金繰り・経費削減などの問題を経営者の視点で吉岡憲章が経営コンサルティングいたします。

<> 29<>2003/03/26(Wed) 12:24<>合理化ってどうやるの?<その3><> ***合理化ってどうやるの?*** 
                    <その 3>

★前号から続きます。
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★★人件費の合理化について (2)

社長の中には、実行にあたりとんだ勘違いをして、騒ぎを益々大きくするような
事が良くあります。
社長 「私は過去にも何度も解雇をした事があるが、ポイントは決して誤らない
事だ。
   申し訳無いが・・・ 等とは間違っても言わずただ会社の状況をきちんと
且つ事務的に説明し、解雇を申し渡すのが最も後腐れガない。」
私  「相手は人間だ。会社の厳しい現況を説明するのは当然としても、経営者と
して社員をそこまで追い込んだのは根本的には社長の責任だ。そこを充分
に表さないで、一方的に通達するのでは所詮納得しないでしょう。そのよ
うにすると後を引きますよ.」
社長 「いや、私にはこれで何人も解雇をした経験がある。任してくれ。」

やがて、2週間後地域の労働組合関連から社長に面談要求がありました。
「貴方の社員が不法解雇だと駆け込んできた。説明をして欲しい」という内容で
した。
その後、社長とその社員との面接が再度行われました。

社員の言い分は、「こんなに自分は頑張って実績も出している。それなのに何故
自分が切られるのか、納得の行く説明が全く無い。ただ会社が厳しいから辞めろ、
と言うだけで社長は冷たい」と言う主旨であった。
人間は“自分は一生懸命やっている。他人より優れている”と本能的に誰もが思
っているのですね。

この社員に対する同僚の評価は10人が10人とも“パソコンを見ているのかと
思ったら、眠っていた、とか何も仕事をしていない”というような酷評でむしろ
今まで雇っていたのが間違っていた位なので、解雇をする事自体は全く異議は無
いわけです。
この位の社員でも自分は会社の役に立っていると思っているのですよ。
人間にはこの位プライドが有るのですよ。また是だから人間をやっていられるの
ですね。

この“ヒトとは何か”と言う事を理解しないと何事も本当の解決にならないんで
すね。
このケースでは、結局退職するのに計画よりも3ヶ月遅れ、解雇手当ても2か月
分余分に支払い、他の解雇者と結託して、会社内外に悪しき噂をまき散らした・
ちょっとしたボタンのかけ違いと言うか、思いやりの不足が大きな損失を生んだ
と言う事です。

そこで社長として、心を決めたら、削減するための次の様に具体的な計画表を
作って下さい。

氏  名 給与金額 退職予定日 通達予定日 配慮事項 必要経費 結   果 
A
B
C
計 \ \


後は、この計画表に基づいて断固実行して下さい。
場合によっては、事前に労働基準局に説明をしておく方が良いと思いますし、社
員の再就職のために地元のハローワークにも、斡旋の依頼をしておくのも、こと
をスムーズに進めるポイントでしょう。

又残された社員は、いつ自分も解雇を言われるかと不安になり、場合によるとパ
ニックになることも充分考えられます。
直ちに残された社員を集め、“これ以上の削減は無い”という事を明言して下さ
い。
もし第2次の合理化を計画している場合は、社員を個別に呼び説明をするととも
に、辞められると、経営上困る社員には特に主旨を充分に話して経営改革につい
ての理解と協力を求めて下さい。
此れが不十分だと、会社は内部から破滅します。

                       ( 以下次号)

   ★★スペースの関係で以下次号に掲載させていただきます★★

               経営プロデューサー  吉岡憲章

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