e-経営コンサルタント通信ではリストラ・資金繰り・経費削減などの問題を経営者の視点で吉岡憲章が経営コンサルティングいたします。

<> 31<>2003/03/26(Wed) 12:26<>合理化ってどうやるの?<その5><>  ***合理化ってどうやるの?*** 
                   <その 5>

★前号から続きます。
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★★売上原価の合理化について(2)

2)購入の仕組みの変更を

もしかして、資材の購入や外注発注を担当者任せにしていませんか?
今まで不思議とも思わないで、成り行きで発注していた、と言う事はありませ
んか?
大体、経営に行き詰まっている会社程、担当者任せで、取引先の言うがまま、
というケースが多いんですよ。

値段を安くもさせずに、購入が面倒だと言う事で、2ヶ月、3ヶ月分もまとめ
買いをして、在庫の山になっている、何てことはざらにあるのです。
その反面社長は、毎月その支払手形の決済に四苦八苦している、と言う現実を
どう考えますか?

幾ら社員がその道の専門家でも、経営や、資金繰りに対する意識は、社長とは
全く違うと言う事を認識して下さい。
先ずは、ここで創業時の原点に戻って、全ての発注伝票を社長自身が確認する
ことでしょう。

此れにより、従来の購入金額の10%以上は軽く削減が出来ます。
私の知っているケースでは、購入部品の中に紛れ込んでいる不良の分まで考え
て、その分を余計に買っていた、なんていうウソみたいなホントの話があるの
です。
これこそ、宝の山ですよね。

3)稼動率の追及を
 装置工業にしても、人手による組立て作業にしろ、原価の大きなポイントに
操業率があります。
いかに密度の濃い仕事をするか、この追及無しに利益が出る筈がありません。
経営が厳しくなってきますと、社長は資金繰りに追われ、現場も見ず、稼動
状況もわからず、たまに現場に言ってみると何となく皆一生懸命やっている
様だし、残業もして頑張ってくれている、なーんて思っちゃうのです。

製造日報も稼働率データ―も無い、なんて普通ですよ。だって社長の頭の中
にそんな物は無くなって、有るのは“お金”だけなんですから。

調べてみると、不良の手直しや、段取り不十分の為のラインストップはかわ
いい方で、社員にとっては“生活の為の残業”をする為の日中の手抜き生産
迄、あらゆる現実がつかめます。

この様な事は、会社が儲かっている時には出てきません。
その時は、社長も現場を見てますし、何たって皆にハリが有ります。
社員も生活の事を考えなくても、給料は上がりますし、夢があります。

経営が一旦悪化しますと、これが全部逆転し、デフレスパイラルならぬ“倒
産スパイラル”へと突入して行く訳です。
ここで、冷静に稼動状況を見直しますと、人件費の合理化や仕事の質の改善
を具体的に実行することが出来、これによる製造コストの削減はやはり1
0%を超える大きなものが期待できるのです。

                       (この項 完)

               経営プロデューサー  吉岡憲章

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