e-経営コンサルタント通信ではリストラ・資金繰り・経費削減などの問題を経営者の視点で吉岡憲章が経営コンサルティングいたします。 |
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33<>2003/03/26(Wed) 12:28<>国の金融再建に思う事<その2><> ***国の金融再建に思う事*** <その 2> ★前号から続きます。 この号からご購読されました方は、http://www.mirai-j.co.jp を クリックし、バック・ナンバーをお読み下さい。 1.金融機関に対する過保護政策について やはり、最近気になることに、銀行保有株の買取機構についてがある。 すなわち、銀行の持ち合い株式を買い上げる“銀行保有株式取得機構”を設置し公的 資金の支援をするという事である。 “取得機構”を作って、銀行の持ち合い株を買い取るシステムを作る事は、別にわれ 等の口に出す事ではないが、買い取った株が値下がりしたら、公的資金で埋め合わせ、 値上がりしたら、その利益は銀行に行く、と言う何とも情けないというか、此れほど までに金融機関を公的に優遇するのか、開いた口も塞がらないという状態である。 此れほどまでに、原理原則を曲げて金融機関を優遇するということは一体どういう事 なのか、頭がおかしくなってしまう位である。 まるで、皆が“銀行さん、潰れないでください!”とお願いをしているのではないか と、思う位である。 私は、バブル華やかりし頃、銀行に融資の依頼に行ったところ、銀行の担当責任者は “吉岡さん、あまり手数を掛けないようにして下さいよ。昔は銀行はお金を貸して、 その利ざやで儲けていたのですが、今は違うんですよ。銀行は、土地と為替で儲けて いるのですよ”と冷たーく言われた事があります。 私の案件は、不動産融資ではなく、爪に火を灯すような僅かな(銀行から見れば)運 転資金だったからでしょう。 また、別に不動産を購入した時には、融資を受けた銀行でない他行の支店長が顔色を 変えて飛んで来て、“なぜ、ウチから借りてくれないのか”とクレームを付けられ、 もう要らないからと言うのに、“それでは自分の顔が立たないから”と何億もの融資 を即決で決めていったりしたものです。 本当に、真剣になって中小企業の経営を発展させる為に考え、指導している 担当がどれほどいるのでしょうか。 銀行も営利企業ですから、儲けを第一に考えるのは当然でしょう。 しかし、“カネでカネを儲けているという特殊な世界ですし、お休みでも寝ていても そのカネが利子を稼いでくれている有利な業界なのです。 一方で、中小企業の社長に倍する給与や、夢のような会社の環境に浸っているわけで、 行楽地に行くと、○○銀行健康保険寮とか、××生命保険寮という豪華な別荘がこれ 見よがしに並んでいます。 この世界にも例のないと言うほどの、バブルの崩壊の責任を、政治家もまた 先導した金融機関の役員も誰一人取ったと言う事を聞いた事が有りません。 バブル崩壊後10年も立っているのに、まだ中小企業の経営者の多くがその 影響により倒産したり、苦しんだりしているわけです。 しかも殆どの中小企業の経営者は、自分で土地投資をしたり、株遊びをしたのではな く、まじめに仕事をしているのに、貸し渋り等の間接的な影響により厳しい状況に追 込まれているのであり、被害者なんです。 この様な中で、金融機関は中小企業への対応を相変わらずに担保第一主義で しかも連帯保証人まで取って貸してやると言う姿勢を崩していません。 特に政府系金融機関は典型的です。 少なくとも。事業計画や再建経営計画を主体とした融資に姿勢を改める位の前進が有 ってしかるべきでしょう。 こんな姿勢の金融機関に湯水のごとく公的資金を注いで良いのでしょうか。 少なくとも、“今後このように改善する”と言う経営計画や経営姿勢の発表が個別に あり、中小企業経営者から選ばれた審査員による審査に合格したら、公的資金を使え る位の制度が不可欠でしょう。 金融機関への過保護な公的資金流用は、決してわが国とその殆どを占める中小企業者 の将来の為にはならないと痛感しています。 (この項 完) 経営プロデューサー 吉岡憲章 |
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