e-経営コンサルタント通信ではリストラ・資金繰り・経費削減などの問題を経営者の視点で吉岡憲章が経営コンサルティングいたします。

<> 43<>2003/03/26(Wed) 12:37<>自分の商品を作る(下請けからの脱却)前編
<>***自分の商品を作る(下請けからの脱却)***
                           
 <前編>


会社の業態には様々なものがあります。社長自身が工賃仕事をしている会社、資材
の購入から加工、組立て或いは施工までしている請負から自分のオリジナルブラン
ドまで持っているメーカーに至るまで色々です。
殆どの中小企業はこの中でも、工賃下請けか請負と言う業態ではないかと思います。

私は多くの経営者から、“メーカーは羨ましい、何とかメーカーになりたいのだが、
どうすれば良いんだろうか“と聞かれます。
何故か…メーカーは付加価値が高い、自分の考えで事業が出来る、受注先から小突
かれたくない、カッコが良い など等。

2代目社長はともかく、殆どの社長は自分の夢をかなえる為に会社を創業した訳で
受注先の若い担当に、あごで指示され威張られる為に社長になった訳ではありませ
ん。

しかし創業して、やがて経営にも少し慣れて来るに従って、何か自分の力もある程
度分かってきたり、リスクが怖くなってきたり、マンネリ化して現状に甘んじてし
まっていたりして創業の夢も段々と薄れてきます。
商品を開発するにも、技術は無い、金は無い、販売網は無いの“3無い”では、ど
うにもならない、とあきらめに近い心境になってしまいます。

でもそんな時に、受注が突然減らされたり、馬鹿にされたりすると、またムラムラ
と、下請けからの脱却をしたい、と気持ちが湧いてきます。
私も、下請けの工賃仕事から会社を始めましたので、その気持ちは手にとるように
よーく分かります。

当時私は、同じ下請け仲間の社長と“屈辱会”なるものを作りグチを言いながら、
お互いの傷を舐めあっていた事があります。
しかし、その反面心の中では、“何時か必ずメーカーになるぞ”という気持ちを持っ
ていました。

そこで、まず始めにたった1人ですが若い技術者を採用しました。
そして、その技術者に当社の現在の技術環境や私のオリジナル商品開発の夢等につ
いて徹底的に話をした上でその技術者に暫くの間、会社の中に設計や開発をする環
境づくりをさせました。
例えば、部品の技術資料の収集や関連業界の技術動向や設計ツールの準備などです。

あまり多くを期待せず雰囲気作りが少しずつ出来れば良い位に思っていましたら、
数ヶ月しましたら、その技術者から、これからの商品や技術に対する具体的な動向
やアイデアらしい物が幾つか出てくるようになってきました。

この段階で、工業デザイナーと成功報酬制で商品デザインの契約をしました。
基本報酬は月10万円だったと思います。

私と技術者とデザイナーと営業担当役員で商品具現化のチームを作り開発の方向
を決め、徹底的にブレストを繰返し焦点の絞込みを行いました。
分野としては、私達の専門が通信・音響関係でしたのでこの周辺が中心となりま
した。

有望な候補が出てきますと、デザイナーがその場でラフスケッチをし、次までに
モックアップを作ってきます。
モックアップと言っても紙で作った物ですが。

ここまで来ますと、その商品の“オンリーワンの売りもの”は何かと言う事が、
明確に打ちだす為にどうするか、ということが商品具現化をする為の絶対条件と
なります。
                        <以下次号に続きます>

                 経営プロデューサー  吉岡憲章

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