e-経営コンサルタント通信ではリストラ・資金繰り・経費削減などの問題を経営者の視点で吉岡憲章が経営コンサルティングいたします。

<> 48<>2003/03/26(Wed) 12:41<>即断 即決 不実行!?<> ***即断 即決 不実行!?***


先日小田原城に見学(遊び?)に行って来ました。
前方に駿河湾の茫洋たる眺め、後方に箱根の山々がそびえ、眼下に城下町を見下ろし
ながら、時の城主北条氏直は、豊臣秀吉の攻撃に対し何を考えていたでしょうか。

長々と議論の繰り返しをしても結論を出せない会議のシンボルとして“小田原評定”
と言う、有り難くない名前を後世に残したのも、この時の超名家としての北条氏の
タカ・ハト混ぜんとした体質から来たものだと思いました。

今、政治・経済の世界で“財政・構造改革”が叫ばれています。
政治改革に限らず、全ての改革を断行するスピードが遅いと思われている順序は
一般的なイメージから考えてみますと
1.政治家
2.官公庁
3.大企業
4.中小企業
と、普通は考えますね。

でも、現実には首をかしげる場合が多く出くわします。
政治家でも、“風”を敏感に読み取る人もいますし、世論に頓着しない人もいます。
官公庁は“如何にミス無く今を続けるか”が重要ですから改革に消極的なことは頷け
ます。

大企業は“戦艦大和”ですから、なかなか方向転換が出来ないだろう、と思われて
いますが、そのような“思った〜い”会社も多くありますが、どっこい優れたスタッ
フを駆使して、何処よりも早く思い切った改革を計画している企業も多くあります。

一方中小企業はどうでしょうか。
戦艦じゃなく、せいぜい駆逐艦であり、多くはレジャーボート位の規模ですから進路
を変更したり、速度を決めるのは社長一人で直ぐに決める事ができます。
従ってタイミング良く改革の実行をする事には大変有利な立場にあります。

私の知っている社長で“自分の取り得は、即断・即決だ”と自慢している人が何人も
います。 本当にそう思っているのです。
ところが実行が殆ど伴わないのですね。
いつまで立っても何もしないので、“あれどうしたの?”と聞きますと、“あれはやっ
ぱり止めました”と平気で言うんですね。

このような場合大体が次のような事に起因しています。
1.思いつきで決める。それを即断即決だと思っている。
2.実行しようとしてもその為のパワーが伴わない。特に金、ヒトで具体化出来ない。
3.社長が経営改革を切実に感じてない。
4.実行しようと思うが、これまでのイキサツや見栄が気になって矛先が鈍る。
5.ETC

こうやって考えてみますと、改革の実行は企業の大きさには関係ないと言う事に
気が付くと、思います.
大企業が本当に決断した時、その勢いは大変なものになるでしょう。
これは“日産自動車改革”でも証明されています。
この改革は日産本体には大変な改革・利益をもたらしていますが、反面周辺の中
小企業の殆どは経営危機の瀬戸際に会っている訳です。

大企業が始める前に、中小企業の経営者は経営改革を決断し実行に移さないと将来
は無いでしょう。
改革は即断・即決・即実行です。


                 経営プロデューサー  吉岡憲章

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