e-経営コンサルタント通信ではリストラ・資金繰り・経費削減などの問題を経営者の視点で吉岡憲章が経営コンサルティングいたします。

<> 152<>2003/08/28(Thu) 16:28<>再度確認 わが社は本当に大丈夫か & 金融対策編(14)<>★★★ 残暑お見舞い申し上げます★★★
冷夏が続きやっと暑くなったと思ったら大型台風の襲来。何やらわが国の経済状況を表しているような気もします。
厳しい環境にも負けず皆様の会社が繁栄されますことを祈念いたします。ご家族ともどもご健康にくれぐれもご留意ください。               (吉岡)
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<改革編>
*** 再度確認 わが社は本当に大丈夫か?! ***

◆これまでに何度も“わが社は本当に大丈夫か?”と投げかけてきた。素晴らしい経営をしている社長は一言のもとに“もちろん大丈夫!”と言い切る。しかし大半の経営者は“ムムムッ”となりその後、「何か言いたいことがあるな」ということがわかる表情をする。

◆わが社の経営を評価するには数多くの診断方法がある。ただしある程度の時間がかかる。忙しいなかでもう少し簡単にわが社の経営力を知る方法を教えてほしいとの声も多い。

◆そこで、今号はお盆特集として私が考案した「わが社の簡易経営診断法」を披露するので、ぜひわが社に当てはめて経営力を確認してほしい。

★身近な経営数字や状態からわかる簡単な経営診断法★
―議論の余地のない経営断行ラインの見分け方―

1.自己資本(貸借対照表の資本の部)の金額
・マイナス(債務超過)・・危機
・0〜20%      ・・危険
2.借入れ(長期+短期)金額
・年商の100%以上  ・・危機
・年商の50%以上   ・・危険
3.手元流動性(担保に供していない現・預金、受取手形)の金額
   ・年商の2週間分以下 ・・危機
   ・年商の1ヶ月分以下 ・・危険
4.手形決済資金の裏付け
 ・1ヶ月先の手形決済資金の裏付けが不明確 ・・危機
 ・3ヶ月先の手形決済資金の裏づけが不明確 ・・危険
5.売上、受注見込み
 ・当月の売上、受注見込み不明確   ・・危機
 ・3ヶ月先の売上、受注見込み不明確 ・・危険
6.金融債務者区分
   ・要管理先に格付けされた  ・・危機
   ・要注意先に格付けされた  ・・危険
7.金融機関の動向
   ・追加担保や追加保証人を要求された ・・危機
   ・支払利息の変更を要求された    ・・危険
8.つなぎ資金の調達(金融機関以外から)
   ・知人、親戚や市中金融から調達   ・・危機
   ・社長の個人資産の売却、処分で調達 ・・危険
9.支払い延滞の発生
  ・社員給与、取引先代金、金融支払、公共機関支払等の延滞・・危機
  ・支払条件の変更                   ・・危険
10.人事関係(幹部の不自然な退職)
  ・中枢役員、経理担当責任者の退職  ・・危機
  ・部長クラス幹部の退職       ・・危険

◆評価の仕方
各項目で「危機」に相当する場合は3点、「危険」に相当する場合は1点とする。
10項目の点数を合計し3点以下ならば「健全」、4〜7点は「要注意」、8点〜12
点は「危険」、13点以上は「危機」の経営状態にあると考えてよい。

◆さて、このチェックリストでわが社はどの経営状態と判定されただろうか。「危険」「危機」に当てはまったら早急に経営改革を断行してほしい。

         経営プロデューサー  吉岡 憲章
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<金融編>
***銀行員に貸す気にさせるテクニック 14***

先日、金融専門雑誌に面白い数字が載っていたので紹介したい。主要銀行の中小企業向け貸出しの指標である。平成14年度9月期において貸付け残高を9兆円も減らされて、中小企業が資金回収の標的になっているという事実である。480万社の中小零細企業の多くを潰してどうしようとしているのであろうか。安易な切捨ては社会にとって大きな損失だ。雇用減少にもつながりその影響は大きい。

根本的に企業を再生や改革させる解決策は金融機関からお金を借りることではない。
中小企業はこれ以上借入れを増やしてはいけない。政府発表の指標によると、ほとんどの企業が借入れができない状態になっている。

現在の利益が確保できるものとして考えた時、利益範囲内で借入金を返済するには、建設業で18年、製造業27年、卸売業82.7年、なんと旅館業にいたっては実に
141年と、とんでもない数字が並んでいる。ほとんどの企業が、借入金の返済に苦しんでいることになる。

資金繰りに窮し、その上に貸し渋りや貸し剥しにあっている企業は多い。但し、中小企業の経営者にはっきり言っておきたいことがある。それは、厳しい態度がとられる責任の一端は企業にもあるということ。経営で最も重要である収益の増加のために、企業がどれだけ努力を払っているだろうか。

経費の節減や生産体制の見直しなど、必死に取り組んでいるだろうか。―借りたお金は返す―これは当然のこと、このルールが守られて、世の中は動いていくのである。
このルールは決して忘れてはいけないのである(最近借りた金は返すなというようなタイトルの本が売れているようだが・・・)。この基本的な考えをもとに、自分の会社を見つめなおしてほしい。

消費の低迷、デフレの浸透で売上が急に望めない今の時期だからこそ金融機関は臆病になっている。しかし、そんな中であっても中小企業経営者は生きていかなければいけない。生きていくうえにはどんな決め手があるだろうか。次回は、生き残りの決め手を考えてみたい。

     マネジメント コンサルタント  奥山 孝司

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