おはようございます！
経営プロデューサー　吉岡憲章です。ご存知“常識破りの再建請負人”です。

　さて「ウチの経営が悪いのは、社員たちが一生懸命働かないからだ」と思って
いる経営者はかなり多いですね。その一方で「儲かっていないから賞与も出せな
いし、昇給どころか給与カットまでしているし、その上に職場環境も良くないし
・・・それもしょうがないかな」とあきらめの気持ちもあります。

　そこで、ムリして社長のなけなしのヘソクリで賞与ならぬ寸志を出したり、借
金をしてまで職場をリフォームしてみれば少しは皆のやる気が出てくるかと思い
きってやってみますが一向に結果は出てきません。どうしてでしょうか？

　実は、そんな時にやることは、社長一人で悩むのでなく、社員たちとのコミュ
ニケーションを徹底的にはかることです。

　例えば「作業能率を上げたい」というテーマで作業時間、休憩時間、作業手順、
作業条件・・・。さらに、能率の目標や現状認識、達成した時の報償・・・とい
うことについてディスカッションをしてから作業に取り組みますと、作業能率は
みるみるうちに上がってきます。

　なぜ、コミュニケーションを取るだけでよくなるのでしょうか。それは「ホー
ソン実験」が証明してくれます。

　ホーソン実験とはアメリカのウェスタン・エレクトリック社のシカゴにあるホ
ーソン工場で人間関係論を証明するため、行ったいくつかの実験を言います。
　
　 その結果、作業能率を左右する要因として、従業員の心的態度、モラール、管
理監督方法そして参加意識が大きいということがわかりました。

　さらに、上下関係の中にある2本の“コミュニケーションパイプ”が重要だと
いうことも証明されました。

　つまり、上から下へのトップダウンパイプと、下から上へのボトムアップパイ
プです。このパイプを使って必要とする情報が正しく上下に流れると生き生きし
た会社へと変わっていくことができるのです。
　
　 必要な情報とは何か、それは次の3つです。

1．この仕事は何のためにするかという目的
2．自分がやっていることが、どれだけ役に立つのかの寄与度
3．どのような評価（お金ということだけではない“ほうび”）をもらえるか

　したがって、コミュニケーションなしに単に賞与を出したり、職場環境を整え
るだけでは成果が出ないのは当然のことだとわかりますね。

　冒頭のような「ウチの経営が悪いのは、社員たちが一生懸命働かないだから」
と思う経営者は自らこのパイプを詰まらせていることになります。
　 ぜひ、経営者は自らが先頭に立って、積極的に上⇔下のパイプ掃除を徹底的に
行ってください。目を見張るほどの成果が待っていると思います。

　さて今回はおなじみ当社の“ムダ取りの第一人者”と言われておりますシニア
コンサルタントの石黒和男が“こだわりの原点”について述べます。

★★★“1”にこだわれ！★★★

　東京、西日暮里駅のホームで電車を待っているときに次の広告が目に留まりま
した。

　「・・・・技術開発は失敗が99％。新しいことをやれば、必ずしくじる。腹が
立つ。だから、寝る時間、食う時間を惜しんで、何度でもやる。さあ、きのうま
での自分を超えろ。きのうまでのHONDAを超えろ」（原文のまま）

　私はかつてハードディスクの技術開発に従事したことがありました。
経験から申し上げると、新商品開発に成功する確率は100回に1回あるかというく
らい大変なことです。その当時の新商品の立ち上げを思い出しながら1％の重み
をこの広告で改めて認識しました。

　一方、製造業をみると今どきはどこへ行っても小ロット生産が主体です。
「小」の中でも、一番小さい数は「1」です。この最小単位を、量産より安くつく
る技術があれば、勝ち残れます。それが「1個流し」なのです。

　ビデオ市場はすでに成熟化しており、少量生産が求められています。私のとこ
ろに相談に来たＡ社の工場といえば、1基20メートルのベルトコンベアーが一直
線に並んでいるのみ。
　 旧来の大量生産型のスタイルから脱皮できていなかったのですね。そこで、さ
っそく1個流しができるラインづくりに着手しました。

　まず、不要なコンベアーを取り外し、かわりに従業員を配置し、マンパワーを
最大限に活かす1個流し生産方式に変えてみたのです。
　 新たなラインでは、作業を集約し、少人数でも、初工程から最終工程までの全
体を管理できる体制を目指しました。

　すべての作業者が全工程をマスターし、作業効率をあげるようになりました。
しかも、最後まで工程を受け持つので、品質への責任感まで向上します。おかげ
で、これまで60名体制でしたが、52名体制にすることができました。
Ａ社はこうして息を吹き返し、企業再生への道を切り開くことができたのです。

　先日、Ｂ社を訪れたときに品質問題に直面しました。不良が多発して月に12％
発生。この不良1％の損失額を算出してみると、なんと1.6百万円が失われている
ことが分かりました。半分にするだけでも10百万円の儲けにつながります。

　“1”は原点にあたります。その“1”をいろいろな角度からみてみましょう。
そして、“1”にこだわって、日常の業務を改善・改革に結びつけて行こうでは
ありませんか。
　　　　　　　　　 未来事業株式会社　シニアコンサルタント　石黒　和男
　　　　　　　　　　 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いかがでしたか？

　文中にもありますように“1”は全ての原点と言えますね。経営や生産では特
に1％あたり、1ｋｇあたり、1人あたり・・・・のように“1”をもとにした数
値を“原単位”と言いまして、改善の度合などを“評価”をするための大切な尺
度となります。
ぜひ、社内の“1”にこだわってみませんか。
　
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　　　　　　　　　　　　　　　　　【経営プロデューサー　　吉岡　憲章】

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【発行者】　未来事業株式会社　経営プロデュースオフィス　代表　吉岡憲章
【本　社】　東京都新宿区西新宿7−8−2　福八ビル5Ｆ
【主要業務】経営プロデュース（経営改革・発展の指導支援）　講演　執筆
【MAIL】 hanjou-1@mirai-j.co.jp　【URL】 http://www.mirai-j.co.jp
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